【バレーボール】1セット先取も後半に失速し、黒星スタート/春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦 第1戦 vs日体大

新戦力の降(右端)が加わった

__春季リーグ戦が開幕した。慶大は、マルキナシム主将(総4・川越東)のもと、新戦力も加えた新チームで日体大に挑んだ。ブロックで5点を奪うなど、自分たちのペースに持ち込み、第1セットを先取した慶大だったが、第2セット以降は相手の多彩な攻撃に対処しきれず失速。1-3の逆転負けで、初戦を白星で飾ることができなかった。
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2019年4月6日(土)

春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦

第1戦 慶大×日体大

@日本体育大学健志台キャンパス米本記念体育館

慶大	セット	日体大
25	1	21
20	2	25
15	3	25
21	4	25
ポジション	背番号	名前(学部学年・出身校)
WS	23	小出捺暉(環2・駿台学園)
MB	9	降小雨(商1・慶應)
OP	21	富澤太凱(経4・慶應)
WS	2	マルキナシム(総4・川越東)
MB	12	清水柊吾(総3・広島城北)
S	1	吉田祝太郎(政3・慶應)
Li	7	永田将吾(総2・高松)
17	加藤真(商3・慶應)
途中出場	5	宮川郁真(総2・松本県ヶ丘)

【おことわり】

本年度より、ポジション名をアルファベット表記に変更いたします。

サイド → WS

センター → MB

オポジット → OP

セッター →

リベロ → Li

昨年のスタメンのほとんどが残った慶大だが、コート内には少し変化が。新入生のMB降小雨(じゃん こさめ)(商1・慶應)が新戦力として加わり、永田将吾(総2・高松)と加藤真(商3・慶應)がリベロとして出場する布陣となった。

慶大のサーブレシーブ(奥から宮川、永田、小出)

大事な第1セット、慶大はスパイクミスが続き、立ち上がりから3連続失点を喫する。その後は、レシーブ陣の安定したサーブレシーブを背景に、降の大学初得点となるクイックを含む多彩な攻撃で必死に食らいついた。依然として劣勢だったセット中盤、慶大の流れを変えたのは、強化してきたブロックだった。19-20の場面から、富澤、清水柊吾(総3・広島城北)、宮川郁真(総2・松本県ヶ丘)の3枚ブロックで相手スパイクを封じて同点に追いつくと、直後には慶大の高いブロックを意識した相手スパイクが2本連続でアウトに。さらに、富澤が2本連続でブロックを決め、ついには6連続得点。最後も富澤がスパイクを鮮やかに決め、慶大が第1セットを先取した。

攻守で活躍した小出

続く第2セットは、互いにサイドアウトを取り合うシーソーゲームが続いた。しかし、中盤からサーブレシーブが乱れ、思うように攻撃を組み立てられない。11-15と4点差をつけられた場面で、相手サーブに集中的に狙われたマルキに代わって宮川が出場。マルキが抜けたこともあり、対角WSの小出捺暉(環2・駿台学園)も力強いスパイクを連発していく。しかし、このセット以降「ブロックをかわして打ってくる」(宗雲健司監督)相手スパイクに対応できず、ブレイクのきっかけを作れなくなってしまった。最後も、相手スパイクに触れることなく得点を許し、20-25でこのセットを落とした。

今年も吉田が司令塔を務める

第3セット、宮川をスタートから起用し、なんとか立て直しを図りたい慶大。しかし、自陣ミスなどで序盤から3点のリードを奪われてしまう。その後、正セッター吉田祝太郎(政3・慶應)がクイックを織り交ぜながら多彩な攻撃を組み立てていくも、相手セッターはさらに攻撃的なセッターだった。クイックのほかに、自身も高さを生かしたツーアタックで慶大ブロックを翻弄。Li永田が得意のディグ(スパイクレシーブ)で奮闘するも、セッターを加えた日体大の攻撃にチームで対応することができなかった。13-17の場面からは、つなぎでもミスが相次ぎ、大量失点。15-25の大差で、慶大はこのセットも落としてしまった。

あとがない第4セット、慶大のコートにはマルキが戻ってきた。そのマルキや富澤のスパイクなどでサイドアウトを順調に切っていく慶大だったが、連続得点を奪うまでが遠かった。途中まで一度もブロック&レシーブの形に持ち込むことができず、相手に攻撃をすべて1本で決められてしまった。9-14の場面からは、清水がサーブで相手を崩すなどして4連続得点に貢献し、慶大はついに1点差まで迫ったが、この日ずっと苦しめられた相手クイックでこの流れを断ち切られると、その後はまた、ブレイクが遠のいていってしまった。終盤、富澤のサービスエースや吉田のブロックアウトなどで食い下がった慶大だったが、大きな点差は埋めきれず。21-25でこのセットも落とし、セットカウント1-3の逆転負けとなった。

ハイタッチする吉田(中央左)と加藤真(中央右)

「チャンスもあっただけに、非常に残念です」。宗雲監督は試合後にこう振り返った。第1セットでは機能していたブロックも、第2セット以降、ブロックアウトに利用するなどして攻略され、ブレイクのきっかけとはなりえなかった。さらに、得点を奪えないことで、途中少し暗いムードに包まれてしまうなど、慶大は相手のペースに飲み込まれてしまったように感じる。彼らは、まだまだ自分たちの力を出しきれていない。この春季リーグ戦を通じて、どんどん完成度を高めていってほしい。Teamマルキの戦いは、まだ始まったばかりだ。

(記事:藤澤薫 写真:菊池輝)

以下、コメント

宗雲健司監督

――今日の試合を振り返って

負けると毎回同じことを言っていますけど、残念ですね。チャンスもあっただけに、非常に残念です。

――第1セットは先取しました

劣勢なところから富澤のブロックが2発くらい出て。それで流れが変わったというところですね。

――第2セットから失速してしまった要因は

自分たちのブロックが出ませんでした。つまり、相手がブロックをかわして打ってくる。セッターのツー攻撃も、何本もありましたね。それから、クイックを全然拾えなくて。全く対応できなかった。それが、すぐサーブレシーブから切られる、受け身になった要因だと思います。

――第4セットから、少し復調しました

相手のスパイクをワンタッチ取って、しっかり攻撃できればよかったんですよ。だけど、まあ追いつこうとするところまではいくんだけど、そのワンタッチ取ったあとのボールの決定率がすごく悪かった。それで結局ひっくり返せませんでした。

――初出場の降選手については

まあ、あんなもんじゃないので。落ち着いてプレーをしていたと思いますけど、もっと、目立つというか、鼓舞するプレーをしてくれるので。もっともっと期待しています。

――春リーグに向けて一言

学生には、チャレンジャーっていうのは変だけど、自分たちが持っているものを発揮することを大事に、残りの試合を戦ってほしいし、自分たちの持っている武器を全部出してもらいたいと思います。

マルキナシム主将(総4・川越東)

――今日の試合を振り返って

個人的には、良くないプレーを連発しちゃったなっていう印象です。チームが負けたのも自分の責任かなって思っています。

――今年度初戦でしたが

試合に入る雰囲気だったり、そういうところはすごく良かったと思うんですけど、相手の攻撃に終始対応できなかったのと、こっちの切り返しの攻撃が上手く切れなかった。そこが練習通りいかなかったなっていう印象です。

――サーブレシーブを受ける本数も多かった

サーブレシーブの方は、去年の秋と比較して改善できた点はあったんですけど、やっぱりサーブレシーブしたあとの攻撃のところが今日は良くなかったので、そこを僕が改善していかないと、勝てない。富澤も今日よく決まっていたので、その逆サイドの僕が決めていなかったのが、相手からしたら楽だったかなっていう気がします。

――高さを生かしたバレーをしたいとお話しされていましたが

チームを通してその意識はあったと思います。でも、僕のスパイクが高さを生かせていなかったと思うので、もう一回動画をちょっと確認して、ちゃんと自分たちがやってきたことを出せるように、やっていきたいと思います。

――明日の早大戦に向けて

まずは1勝したいと思うので、去年とかの結果に関係なく、挑戦者として。個人的には、気持ちを切らさないようにやっていきたいと思います。

富澤太凱副将(経4・慶應義塾)

――今日の試合を振り返って

新体制が始まって、初めてのリーグ戦という中で、フォーカスしたのが自分たちの力をどこまで出せるかというところでした。1セット目はビハインドでの切り返しという自分たちのやってきたことがかなり出て、良いゲームだったんですけど、それ以降、勝負所で1点が遠くて、勝負所で相手との差を感じた一戦だったと思います。

――スパイクに関しては

ここ数日、セッターとコンビが合うようになってきて、そこの技術面と、リーグ戦が始まるという気持ちの面という2つの面の準備ができたことで、今日の入りが上手くいったんじゃないかと思います。

――ブロックに関しては

求められるものが高いので、正直始まるまではどこまでできるか不安だったんですけど、僕らの想像以上に効果が出ていました。その中でも、まだまだできる所はあったと思います。

――この冬に取り組んできたことが今日の試合でどのように発揮されましたか

僕らは冬からずっと、ブロックをテーマにやってきました。サイド攻撃に関してはステップを踏めていたので良かったです。しかし、どうしても速い攻撃に対して手薄になってしまったり、タイミングをずらされた時に手を振ってしまったり、ブロックできるボールを相手の得点にしてしまったりしていたので、そこは試合の中で修正できれば良いなと思いました。

――4年生として、また副将として今年1年間どのように戦っていきたいですか

マルキと2人でこの慶應バレー部を引っ張っていく。もちろん、みんな同じ視点でやってくれているんですけど、僕とマルキが一線を超えていかなければいけない存在なので、そういう面で気持ちをしっかりと作って試合や練習に取り組んでいこうと思います。

――次戦に向けて意気込みを

明日は今日以上に自分たちのプレーを出して、王者に一歩でも迫れる試合をしたいと思います。

小出捺暉(環2・駿台学園)

――今日の試合を振り返って

1セット目がすごくリズムが良かったのに、2・3セット目とかで、攻める気持ちというか、そういうのが一気になくなって、負けたのかなと思います。

――スパイクをたくさん決めていました

調子が良かったっていうのもあるんですけど、身体の疲れとかも最初あんまりなくて、自分的には良い入りが出来たのかなって思います。

――高さを生かしたバレーはできましたか

相手の方が高さがありました。クイックとかも、うちはあんまり合ってなくて、相手は高いところから打ってくるっていう感じで。逆に高さ負けしちゃったかなって思います。

――サーブレシーブは

自分的には良かったんですけど、もうちょっとフォーメーション、相手の狙ってくるところを考えて、もっとフォロー入れたらよかったなって思います。

――リベロも2人出場されていました

ムードとかも上げてくれて、良かったと思います。でも、緩いボールとか、リベロがどうこうじゃなくて、チームとしてもうちょっと上げたいなって思います。

――春リーグの意気込みを

今日負けちゃったんですけど、もうちょっと詰められるところ詰められたら。試合中の対応とか、終盤まで戦い抜く力とか、そういうのをもっと上げていければ。技術的な部分もあるんですけど、それ以外のところでカバーしてやっても勝てるチームが多いと思うので、ゲームでしかできないものをもっと突き詰めてやっていきたいと思います。

降小雨(商1・慶應義塾)

――今日の試合を振り返って

初戦で出していただいたということもあって、気合いを入れて試合に臨んだんですけど、相手のレベルが自分たちのレベルよりも何枚も上手だったので、自分でどう決めたら良いんだろうというところがありました。1セット目は勢いで取れたんですけど、2セット目からは日体大の勢いに押され、打開策を見出せないまま、自分も良い形でスパイクを打てず、波に乗れませんでした。

――どのような気持ちで今日の試合を迎えましたか

出していただくからには活躍するという意味で、ブロックでもクイックでも自分ができる最大限のパフォーマンスをしようと臨みました。しかし、相手の実力も高く、まだまだ自分の力が通用しないなと痛感しました。

――実際に試合を終えて、どのような気持ちですか

もっとやれるんじゃないか、という気持ちで終わってしまいました。明日もう一度チャンスをもらえると思うので、修正して自分が持てる最大限のパフォーマンスをしたいと思います。

――先輩方から声をかけられたりしましたか

ミスをしても良いから楽しんで、全力で自分のやりたいようにやれと言われていたので、元気よく声をかけてプレーしようと心がけました。

――次戦に向けて意気込みを

明日の早稲田は去年優勝していて強いと思いますが、まだまだ自分たちの力を出しきれていない部分があると思うので、そこをしっかり反省、修正して、早稲田としっかり勝負できるように頑張りたいと思います。

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