くじ引きで最下位当選者決定 相模原市議選で2候補が同数

当選くじを持った手を掲げる今宮氏(右)と、落選した松浦氏=8日午前4時半ごろ、相模原市南区の市総合体育館

 7日投開票された相模原市議選の中央区選挙区(定数17)で、最後の1議席を巡って2人の候補者が得票数で並び、くじ引きで当選者を決める珍しい事態となった。8日未明に区選挙管理委員会が公選法に基づいてくじ引きを実施し、当選くじを引いた共産党新人の今宮祐貴氏(34)を当選者と決定した。市選管によると、同選管が調べた限り、過去の同市議選でくじ引きで当選者が決まった例はないという。

 今回の中央区選挙区には25人が立候補。今宮氏と、無所属新人の松浦千鶴子氏(45)が3158票で同数となった。

 区選管は同日午前1時10分ごろから再点検をし、他の候補者の得票に2人の票が紛れ込んでいないか、また白票などに間違いがないかなどを含めて、全ての票の再計数作業をしたが、同数であることが確認されたという。このため、公選法によりくじ引きを実施することを決めた。

 開票場所の市総合体育館(同市南区麻溝台)に、2人は午前4時すぎに到着。区選管が机上に用意したくじを順に引くと、今宮氏が当選くじを握った手を上に掲げ、緊張の糸が切れたかのように机に突っ伏した。

 今宮氏は「いったんは勝てないと思ったが、支えてくれた仲間のおかげで勝てた。1票の重みを感じた」などと話し、ハンカチで涙を拭った。敗れた松浦氏は「まさかくじ引きになるとは想定していなかった。結果は真摯(しんし)に受け止める」と言葉少なだった。

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