バウティスタがSBK第3戦アラゴンで他を圧倒する3連勝。チームメイトのデイビスは今季初表彰台獲得

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 スーパーバイク世界選手権(SBK)第3戦アラゴンが、スペインのモーターランド・アラゴンで行われ、アルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)が3レースすべてで優勝。また、チームメイトのチャズ・デイビスが2019年シーズン初の表彰台を獲得した。

 ヨーロッパラウンド幕開けとなるSBK第3戦。スーパーポールではバウティスタが、1分49秒049で従来のポールポジションのレコードを更新するタイムをマークする。

 このタイムでバウティスタがポールポジションを獲得し、2番手にはSBKルーキーのサンドロ・コルテセ(GRTヤマハ・ワールドSBK)、3番手にはトム・サイクス(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)が並んだ。ディフェンディングチャンピオンのジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)はフロントロウを逃したばかりか、4列目10番手からのスタートとなった。

■レース1:15秒の大差でバウティスタ優勝。デイビスが今季初表彰台獲得

 SBK第3戦アラゴンのレース1は、気温13度、路面温度21度のドライコンディションのなか、行われた。スタートからバウティスタが抜け出すと、トップを好走。バウティスタは2019年シーズン、何度も見せたレース展開を母国ラウンドであるモーターランド・アラゴンでも見せる。

 2番手にはサイクス、3番手にはロウズが続くが、ロウズは2周目にサイクスを交わすと、2番手に浮上。一方、2番グリッドのコルテセはスタートで失速してポジションを落とし、オープニングラップを4番手で終えると、そのまま中団での走行となる。

レース1で独走状態に入るバウティスタに、誰もついていくことができない

 バウティスタは2周目に1分49秒755のファステストラップを叩き出す。このタイムは、ファステストラップのレコードタイムを更新するものだった。バウティスタはその速さで他を引き離す。

 そんなバウティスタを追う2番手集団。そこに、レイが着実にポジションを上げてきていた。10番手スタートのレイは4周目には2番手に浮上。実に8つものポジションを上げてロウズから2番手の座を奪う。

 そこに割って入ったのが、8番手スタートのデイビスだった。ここまで2戦6レースで表彰台を逃し、チームメイトの後塵を拝し続けていたデイビスは、レイとの2番手争いを展開。デイビスは5周目にレイを交わし、レイも負けじとデイビスをオーバーテイク。このふたりは何度もポジションを入れ替える激しい争いを見せながら、周回を重ねていく。

 レース折り返しの9周を終えて、トップは完全に独走態勢を築いたバウティスタ。この時点で約10秒にまで2番手以下とのアドバンテージを広げている。2番手を争うレイとデイビス、そして4番手にはロウズが続き、ほんの少しだけ間を空けてマイケル・ファン・デル・マーク(パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム)、ユージン・ラバティ(チーム・ゴーイレブン)が続く。

 11周目、デイビスがやや遅れ始める。ロウズは好機を逃さずデイビスをオーバーテイクし、3番手に浮上。2番手はレイがキープするが、ロウズが背後にぴたりとつけ、予断を許さない状況だ。2番手争いはレイ、デイビス、ロウズなど役者を変えながら、接戦が繰り広げることになった。

デイビス、レイ、ロウズによって展開された2位争い

 迎えたラストラップ、2番手につけるのはレイ、そしてその0.1秒以内でレイを追うのはデイビスだ。その直後には4番手でラバティがつけるが、ラバティは14コーナーで転倒してしまう。

 その15秒前方で、バウティスタが2019年シーズン7回目となるトップチェッカーを受けた。15秒もの差は、これまでの7レース中で、もっとも大きなアドバンテージであった。2位表彰台を獲得したのはレイで、激しく争われた2位争いを制し、デイビスが3位を獲得。2019年シーズン初となる表彰台を獲得した。

バウティスタが今季7勝目を挙げ、同じくレイは7度目の2位を獲得。デイビスは今季始めて表彰台に上った
清成は17番グリッドから14位フィニッシュ

 4位はロウズ、5位にはサイクスが続き、清成龍一(モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム)は14位フィニッシュ。2番手スタートのコルテセは7位でレースを終えた。

 以下、SBK第3戦アラゴン レース1の順位結果。

■SBK第3戦アラゴン レース1順位結果(18周)

Pos. No. Rider Team/Machine Time/Gap

1 19 A.バウティスタ Aruba.it レーシング-ドゥカティ(ドゥカティ パニガーレV4 R) 33’14.114

2 1 J.レイ カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(カワサキZX-10RR) 15.170

3 7 C.デイビス Aruba.it レーシング-ドゥカティ(ドゥカティ パニガーレV4 R) 15.650

4 22 A.ロウズ パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム(ヤマハYZF-R1) 18.204

5 66 T.サイクス BMWモトラッド・ワールドSBKチーム(BMW S1000RR) 20.165

6 60 M.ファン・デル・マーク パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム(ヤマハYZF-R1) 22.419

7 11 S.コルテセ GRTヤマハ・ワールドSBK(ヤマハYZF-R1) 23.333

8 54 T.ラズガットリオグル ターキッシュ・プセッティレーシング(カワサキZX-10RR) 27.929

9 91 L.ハスラム カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(カワサキZX-10RR) 28.243

10 81 J.トーレス チーム・ペデルチーニ・レーシング(カワサキZX-10RR) 28.411

11 2 L.キャミア モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム(ホンダCBR1000RR) 39.126

12 33 M.メランドリ GRTヤマハ・ワールドSBK(ヤマハYZF-R1) 39.240

13 21 M.ルーベン・リナルディ バーニーレーシングチーム(ドゥカティ パニガーレV4 R) 47.782

14 23 清成龍一 モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム(ホンダCBR1000RR) 59.879

15 50 E.ラバティ チーム・ゴーイレブン(ドゥカティパニガーレV4 R) 1’37.121

RET 52 A.デルビアンコ アルティア・ミエ・レーシングチーム(ホンダCBR1000RR) (1周できず)

RET 36 L.メルカド オレラック・レーシングVerdNatura(カワサキZX-10RR) (1周できず)

RET 28 M.ライターベルガー BMWモトラッド・ワールドSBKチーム(BMW S1000RR) (1周できず)

■スーパーポール・レース:レイとロウズが激しい2位争いを展開

 スーパーポール・レースは気温10度、路面温度17度のドライコンディションで行われた。このレースでは、前日のレース1で転倒を喫したレアンドロ・メルカド(オレラック・レーシングVerdNatura)が、左手の舟状骨骨折の疑いにより欠場している。

 10周の超スプリントレースは、バウティスタが飛び出す形でスタートした。2周目にしてすでに2番手以下と大きく水を開けるバウティスタ。バウティスタを追うのは2番手に浮上したロウズと、今回はスタートを成功させたコルテセだ。

 オープニングラップの1コーナーではマイケル・ルーベン・リナルディ(バーニーレーシングチーム)とファン・デル・マークが転倒するクラッシュが発生し、ルーベン・リナルディはその後、メディカルセンターに向かった。ファン・デル・マークはレースに復帰している。

 10番手スタートのレイは2周目には3番手のコルテセを交わし、さらに4周目にはロウズを交わして2番手に浮上。だがロウズはレイから離されることなく、テール・トゥ・ノーズで周回を重ねていく。

 6周目、ついにロウズが最終コーナーへ向かうストレートでレイに並ぶと、16コーナーでレイのインを突いてオーバーテイク。レイから2番手を奪う。3番手に後退したレイだったが、残り2周でロウズに勝負を仕掛けた。

 ロウズのアウトから1コーナーに飛び込み、続く2コーナーへサイド・バイ・サイドで飛び込むロウズとレイ。2番手をキープするロウズ。しかし、ついにレイがロウズをオーバーテイク。そのふたりの直後にはデイビスがぴったりとつけており、2番手争いは一瞬も気を抜けない展開となった。

 一方のバウティスタは独走状態を守ったまま、優勝を飾った。最後までドッグファイトが展開された2位争いを制したのはレイで、ロウズは3位表彰台を獲得している。

 中盤から2番手争いに加わったデイビスは4位でフィニッシュし、5位はサイクス。清成は13位でレースを終えている。

 以下、SBK第3戦アラゴン スーパーポール・レースの順位結果。

■SBK第3戦アラゴン スーパーポール・レース順位結果(10周)

Pos. No. Rider Team/Machine Time/Gap

1 19 A.バウティスタ Aruba.it レーシング-ドゥカティ(ドゥカティ パニガーレV4 R) 18’25.853

2 1 J.レイ カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(カワサキZX-10RR) 5.791

3 22 A.ロウズ パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム(ヤマハYZF-R1) 5.906

4 7 C.デイビス Aruba.it レーシング-ドゥカティ(ドゥカティ パニガーレV4 R) 6.052

5 66 T.サイクス BMWモトラッド・ワールドSBKチーム(BMW S1000RR) 9.217

6 50 E.ラバティ チーム・ゴーイレブン(ドゥカティパニガーレV4 R) 9.921

7 91 L.ハスラム カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(カワサキZX-10RR) 10.221

8 81 J.トーレス チーム・ペデルチーニ・レーシング(カワサキZX-10RR) 11.961

9 11 S.コルテセ GRTヤマハ・ワールドSBK(ヤマハYZF-R1) 13.712

10 54 T.ラズガットリオグル ターキッシュ・プセッティレーシング(カワサキZX-10RR) 14.218

11 33 M.メランドリ GRTヤマハ・ワールドSBK(ヤマハYZF-R1) 19.481

12 2 L.キャミア モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム(ホンダCBR1000RR) 21.149

13 23 清成龍一 モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム(ホンダCBR1000RR) 27.041

14 52 A.デルビアンコ アルティア・ミエ・レーシングチーム(ホンダCBR1000RR) 43.317

15 60 M.ファン・デル・マーク パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム(ヤマハYZF-R1) 1’20.614

RET 28 M.ライターベルガー BMWモトラッド・ワールドSBKチーム(BMW S1000RR) 5 Laps(リタイア)

RET 21 M.ルーベン・リナルディ バーニーレーシングチーム(ドゥカティ パニガーレV4 R) (1周できず)

■レース2:バウティスタがアラゴンで3連勝飾る

 レース2は気温13度、路面温度24度のドライコンディションで行われた。レース2は9番手までのグリッドについてスーパーポール・レースの結果が反映され、ポールポジションがバウティスタ、2番手レイ、3番手ロウズがフロントロウに並んだ。また、スーパーポール・レースで転倒し、メディカルセンターへ向かったルーベン・リナルディは、レース2に出走している。

 スタートでは2番グリッドのレイがややフロントを浮かせで遅れをとるも、ポジションを守り好スタートを切ったバウティスタを追う。バウティスタが抜け出しやや遅れてレイが追走、そのレイにデイビス、ロウズ、サイクスなどが続く展開だ。

 バウティスタは2周目にして、またしても独走態勢を築く。バウティスタを追いかけたいレイだが、2周目にデイビスに交わされ3番手に後退。ただ、デイビスはレイ以下を引き離すには至らない。2番手を争うのはデイビスとレイ、そしてロウズ、7番手から浮上してきたレオン・ハスラム(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)だ。

 5周目、ロウズが1コーナーのブレーキングでレイのインに飛び込むと、3番手に浮上。とはいえ2番手のデイビスから5番手のハスラムまで非常に接近している状況だ。

レース2ではほとんどの周回で、デイビスが2番手集団を率いた
今週末、初めて表彰台争いに加わったハスラム。一時はレイとポジション争いを展開

 レース折り返しの10周目、レイが3番手のロウズに迫ると、ストレートの加速でロウズを交わす。レイがデイビスを追いかけるかと思われたが、そのレイをとらえたのはロウズを交わして4番手に上がってきたハスラムだった。

 ハスラムは13周目の1コーナーでレイのインにつけると、レイはそれを防ぎきれず3番手のポジションをハスラムに明け渡す。しかし残り3周、再び1コーナーの飛び込みでレイがハスラムから3番手を奪還。2番手デイビス、3番手レイ、4番手ハスラムがワンパックとなって最終ラップを迎えた。

 一方、バウティスタは快走を続け、この週末3回目となる優勝を飾った。ここまで負けなしの9連勝。ポイントは186にまで積み上がり、ランキング2番手のレイに対し39ポイント差をつけている。

 2位争いは最終ラップの1コーナー、デイビスがラインを外してワイドになったすきを見逃さず、レイが2番手にポジションを上げると、そのままフィニッシュ。3位はデイビスが入ってこのアラゴンで2度目の表彰台を獲得した。

 4位には一時、レイやデイビスをおびやかしたハスラム、5位は中盤以降、2位争いから遅れたロウズが入った。清成は14位でレースを終えている。

レース2を14位で終えた清成

 同日に行われたスーパースポーツ世界選手権(WSS)では、終盤にランディ・クルメンナッハ(BARDAHL Evan Bros. WorldSSP Team Y)とラファエレ・デ・ロサ(MV AGUSTA Reparto Corse)がトップ争いを演じ、クルメンナッハが優勝を飾った。2位にはデ・ロサが入り、2019年シーズンで初めてヤマハライダー以外が表彰台に上った。

 3位はフェデリコ・カリカスロ(BARDAHL Evan Bros. WorldSSP Team Y)、そして大久保光(Kawasaki Puccetti Racing)は9番グリッドからスタートし、8位でフィニッシュしている。

 アラゴンで2019年シーズン最初のレースを迎えたスーパースポーツ世界選手権300(WSS300)では、52名のライダーがエントリー。日本人ライダーとしては、岡谷雄太(DS Junior Team)が参戦を開始した。

 岡谷はスーパーポールで30番手以内に入らなかったすべてのライダーが参加する、ラストチャンス・レース中に出走。ラストチャンス・レースは、トップ6に入れば決勝レースのグリッド31番手から36番手に並ぶことができるというものだ。しかし岡谷はこのレースで転倒を喫し、決勝レース進出はならなかった。

 以下、SBK第3戦アラゴン レース2の順位結果。

■SBK第3戦アラゴン レース2 順位結果(18周)

Pos. No. Rider Team/Machine Time/Gap

1 19 A.バウティスタ Aruba.it レーシング-ドゥカティ(ドゥカティ パニガーレV4 R) 33’16.448

2 1 J.レイ カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(カワサキZX-10RR) 6.867

3 7 C.デイビス Aruba.it レーシング-ドゥカティ(ドゥカティ パニガーレV4 R) 7.127

4 91 L.ハスラム カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(カワサキZX-10RR) 7.581

5 22 A.ロウズ パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム(ヤマハYZF-R1) 11.549

6 50 E.ラバティ チーム・ゴーイレブン(ドゥカティパニガーレV4 R) 16.797

7 81 J.トーレス チーム・ペデルチーニ・レーシング(カワサキZX-10RR) 17.825

8 60 M.ファン・デル・マーク パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム(ヤマハYZF-R1) 18.788

9 21 M.ルーベン・リナルディ バーニーレーシングチーム(ドゥカティ パニガーレV4 R) 19.329

10 11 S.コルテセ GRTヤマハ・ワールドSBK(ヤマハYZF-R1) 20.351

11 33 M.メランドリ GRTヤマハ・ワールドSBK(ヤマハYZF-R1) 23.546

12 66 T.サイクス BMWモトラッド・ワールドSBKチーム(BMW S1000RR) 23.974

13 2 L.キャミア モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム(ホンダCBR1000RR) 35.177

14 23 清成龍一 モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム(ホンダCBR1000RR) 1’01.477

15 28 M.ライターベルガー BMWモトラッド・ワールドSBKチーム(BMW S1000RR) 1’39.168

RET 52 A.デルビアンコ アルティア・ミエ・レーシングチーム(ホンダCBR1000RR) 8 Laps(リタイア)

RET 54 T.ラズガットリオグル ターキッシュ・プセッティレーシング(カワサキZX-10RR) 11 Laps(リタイア)