堂本光一「Endless SHOCK」1700回記念に井上芳雄がサプライズ。「今が一番すてきな瞬間。俺の人生、幸せですね」

3月31日、堂本光一の主演舞台「Endless SHOCK」が、千穐楽で1700回公演を達成した。日本の演劇界でこの記録を上回るのは、故・森光子さんが生涯をかけて演じた「放浪記」だけ。その森さんから、舞台人としての誇りを受け継いだ光一が、18年5カ月をかけ、ミュージカル単独主演としては前人未到の記録を打ち立てた。

それを記念したスペシャルカーテンコールには、昨夏、「ナイツ・テイル-騎士物語-」で光一と共演した井上芳雄が登場。「皆さま、本日は『SHOCK』の千穐楽に…」と、マイクを手にスーツ姿の井上が現われると、「えぇー!」と驚く光一。「おかしいでしょ(笑)。カーテンコール、どうするの?って打ち合わせしようとしたら、全然応えてくれなかったのよ」と光一が言えば、「うすうす勘付かれてるんじゃないかと思ってたんですけど…司会です(笑)」と井上が返すなど、仲のいいやりとりで観客を笑わせ、会場はいっきにハッピーモードに。くす玉を割った光一が紙吹雪まみれになったり、くす玉から出てきたメッセージが光一の頭に当たらず、「どうせ俺は背が低い男だよ(笑)!」と光一が叫んだり、和やかにセレモニーが続き、出演者を代表して前田美波里から光一に花束が渡された。

そして井上が、「お祝いの言葉というか、僕が好きな光一くんの話があって」と前置きし、「お風呂の天井を見て、景色は一緒だけど、“今日も無事できた、よかったな”って思うって」。その話を聞きながら「そうそう」と相づちを打った光一は、「俺、そんな話したっけ?」と照れ隠し。「したよ~(笑)」と、井上は話を続けた。「僕も舞台やってる人間はみんなそうかもしれないけど、1回1回の舞台って本当に緊張するし、どんな作品でも無事終われることって奇跡だと思うんですよ。今日、本当にできるかなって毎回思うし。しかも(『SHOCK』は)こんな舞台じゃないですか、どうかしてるぜっていう(笑)。それを、“今日できるかな”って毎回お風呂に入って思いながらこの日を迎えたんだと思ったら、すごい奇跡の積み重ねだと思って、本当に尊敬しています」。

そして井上は、「僕たちも、皆さんのそれぞれの毎日も奇跡の積み重ね」と話を結び、「『SHOCK』はたくさんの人の励ましになってると思うので、とにかく、今後も末永く続けていただきたいし、その合間に『ナイツ・テイル-騎士物語-』のことも思い出して」と、おちゃめに光一との再演希望をアピール。「やろうね!」と光一。笑顔で抱き合う2人に観客から盛大な拍手が贈られた。

その後に行われたテレビ用のインタビューでは、いつも「客席は見えない」と言っている光一が、うっかり「双眼鏡を持ったお客さん」のことに言及してしまい、「客席、見えてるんですね!」とツッコまれて会場を沸かす場面も。1700回という数字については、「たくさんの支えがあったからこそだと思いますし、1回1回を毎回更新していこうっていう気持ちでやらせていただいていて。これまでいろんなことがありましたけど、今が一番すてきな瞬間かなと、毎日そう思ってます。すげえ、俺の人生幸せですね」と、心からの笑顔を見せた。

取材・文/幸野敦子 撮影/野本佳子

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