IR誘致へHTB30ヘクタール土地用意 県、佐世保市と合意

 ハウステンボス(HTB)と長崎県、佐世保市は8日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致に向け、HTB内の約30ヘクタールの土地と建物を候補地とすることで基本合意した、と発表した。評価額を鑑定した上で、HTBと市が売買契約を結ぶ。契約は、誘致が実現した際に発効する条件付きとなっている。
 候補地は、HTBの総面積の約5分の1に当たる。宿泊施設のホテルヨーロッパ(310室)とウォーターマークホテル長崎ハウステンボス(228室)、コテージのフォレストヴィラ(104戸)が立っている。美術館などが入る「パレスハウステンボス」や、日本中央競馬会(JRA)ウインズ佐世保の駐車場も含んでいる。
 県は、国がこの夏にも公表する基本方針を踏まえて実施方針を策定。IR事業者を公募する。佐世保市は、IR立地区域に選ばれた際に買い取った土地を県が認定した事業者に売却。事業者が客室総面積10万平方メートル以上の大型ホテルや巨大な国際会議場などを整備する。大規模施設の整備がIRの要件となったため、既存のホテルなどは建て替えとなる可能性がある。
 同日、澤田秀雄社長と中村法道知事、朝長則男市長がそろって記者会見した。澤田社長は、IR事業者としての参入に慎重な姿勢を見せつつも「誘致活動には全面的に協力したい」と強調。中村知事は「大村湾に面する一団の土地を確保でき、地域特性を生かしたIRを実現できる」、朝長市長は「実現に向けた大きな前進で、他の地域と戦える準備が整った」と力を込めた。

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