『ハンターキラー 潜航せよ』 ド派手なアクション+軍の全面協力でリアリティーも

(C)2018 Hunter Killer Productions, Inc.

 『300〈スリーハンドレッド〉』の大ヒット以降、リーアム・ニーソンらと並び21世紀型の等身大アクションスターとして活躍するジェラルド・バトラー。代表作は、最強のシークレットサービスを演じる“マイク・バニング”シリーズだろう。そんな彼に、もう一つ新たな代表作が誕生しそう。

 今回演じるのは、ロシアで核戦争をもくろむ軍トップによって拘束された大統領を救出する任務に臨む、米海軍原子力潜水艦の艦長。内藤剛志のようなたたき上げのリーダーシップで、反発する部下ばかりか敵の心までもつかんしまうカッコイイ男だ。それにしても、またもや大統領の命を守るとは…(笑)。

 かつて戦争映画の人気ジャンルだった潜水艦ものが、めっきり作られなくなったのは、潜水艦テクノロジーの急激な発達にフィクションが追いつけなくなったからだそう。本作はそれを、潜水艦の元艦長が書いた原作と、米国防総省&米海軍の全面協力によってクリア。潜水艦絡みのシーンでリアリティーを保ちながら、『ワイルド・スピード』の製作チームらしいド派手なアクションを繰り広げる。

さすがにクライマックスでは、あっけにとられてしまったが、これはこれでハリウッド映画らしい。詳しくは書けないが、悪いのは一人なのに…と。少なくとも日本映画ではありえない。それでも、エンタメに徹した手に汗握る2時間で、続編を期待せずにはいられない! ★★★★☆(外山真也)

監督:ドノヴァン・マーシュ

出演:ジェラルド・バトラー、ゲイリー・オールドマン

4月12日(金)から全国公開

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