戦時下を感じて、12日から川崎空襲展 被災地図や模型

昨年の第8回中原空襲展の様子(同会提供)

 川崎大空襲における川崎市中原区の被害を伝えようと、「第9回中原空襲展」が12日から中原市民館(同区)で開かれる。「川崎中原の空襲・戦災を記録する会」が毎年開催、今年は初めて空襲のあった4月に実施する。

 1945年4月15日の川崎大空襲では、米軍のB29爆撃機約200機が市内を中心に多くの焼夷(しょうい)弾を投下。軍需工場のあった中原区も標的になり、多くの市民が犠牲となった。

 同会のメンバーが空襲体験を聞き取り、その証言を基に作製した「被災地図」のほか、同会会員の中野幹夫さんが被災体験を描いた絵画や焼夷弾の模型などを会場に並べる。

 「戦時下の国内の世相を感じ取ってほしい」(同会)との思いから、当時の国民学校3年生が半紙に書いた「戦争軍旗大砲」などの「習字」も初めて展示する。

 同会事務局の対馬労さんは「特に小学生やその親の世代に、高層マンションの立ち並ぶ武蔵小杉周辺が甚大な被害を受けたことを知ってほしい」と来場を呼び掛けている。

 17日まで(15日は休館)、入場無料。午前10時から午後6時まで(最終日は午後5時まで)。問い合わせは、対馬さん電話080(1324)0141。

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