青松園入所者と学生の交流を紹介 関学大卒業生ら記念誌を作製

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完成した記念誌「道―学生YMCA『大島ワーク』の50年―」

 関西学院大の岩坂二規准教授と聖和大(現関西学院大)などの卒業生が、1965年から学生たちが国立ハンセン病療養所・大島青松園(高松市)を訪ね、入所者と交流してきた歴史を記念誌「道―学生YMCA『大島ワーク』の50年―」にまとめた。半世紀続いた取り組みを年表や当時の写真を交えて紹介。「今の学生たちが人権への意識を高め、社会の課題に目を向けるきっかけになれば」(岩坂准教授)としている。

 訪問は、関西学院大の学生が60年に始めていた邑久光明園(瀬戸内市)での同様の取り組みがモデルになった。「大島ワークキャンプ」「大島訪問プログラム」などの名称で、関西圏の大学のYMCA(キリスト教青年会)が主に夏休みに実施。毎回10~40人程度が島内に泊まり込むなどし、国の誤った隔離政策で差別や偏見を受けてきた入所者と語り合ったり、道路や花壇の整備に取り組んだりした。

 2018年も関西学院大などの学生が訪問しているが、入所者の減少と高齢化を理由に「大島ワーク」としては14年で終了した。半世紀の歩み、参加学生や入所者の思いを後世に伝えるため、岩坂准教授と聖和大や関西学院大の卒業生の計9人が編集委員会をつくり、記念誌の発行を企画した。

 B5判、100ページ。草創期、4~7日間だった訪問が日帰りになった時期、島内宿泊の復活後など、七つの時代区分ごとに編集スタッフの解説コラムを掲載。大島ワークがその後の人生に与えた影響をテーマにした寄稿もある。

 250部を作製。希望者には無料配布している。問い合わせはメールで岩坂准教授(niki@kwansei.ac.jp)。