【野球】春季リーグ戦開幕前インタビュー 第二弾 福井章吾選手 〜飛躍の年に〜

__いよいよ4月13日(土)に開幕を控える、東京六大学春季リーグ戦。
それに先立ち、慶應スポーツでは開幕前特集インタビューを実施した。
第二弾は飛躍の年となることが期待される福井章吾選手に意気込みを伺った。__

飛躍の年にすると誓った福井

――昨年を振り返って

高校生から大学生になり大阪からこっちに来て環境が変わっている中で、対応しながらも、なかなか対応しきれないなという感じでした。収穫もありましたけど、もう少し何かできたんじゃないかと思います。

――対応というのはどのようなところですか

バットが金属から木製に変わって、それに半年間くらいは対応できなかったです。夏を越えたあたりから少しずつ掴み始めて、結果がどんどん出始めましたけど、ちょっと遅かったかなと思います。

――秋のフレッシュリーグでは対応できていたということですか

フレッシュリーグとオータムリーグでは、自分本来のバッティングができたのでとても収穫がありました。

――秋季リーグ最終戦を振り返って

早慶戦は3戦ともベンチに入れさせていただいて、2戦目は試合にも出させていただきました。僕が打っていれば勝てたかもしれないですし、3戦目に関しては、アウト3つを取る難しさを改めて感じさせられました。高校時代も、あとアウト1つ取れなくて悔しい思いをしているので、改めてアウト1つを取ることがどれだけ難しいかを痛感した試合でした。

――背番号22を背負うことになった経緯は

もちろん一桁をつけたい気持ちもあったのですけど、郡司(裕也=環4・仙台育英)さんが着けていた背番号を着けたい気持ちがあって、監督にお願いしました。

――オフシーズン、打撃への取り組みは

秋のフレッシュリーグなどで掴めた部分があったので、そこを鈍らせないようにスイングの数にこだわりました。1日500本弱くらいはノルマで、朝起きたりして振って、スイングは欠かさずやりました。

――次に、守備については

1、2月は主にサードをやっていました。奄美大島にキャンプに行ったくらいからファーストに回って、キャッチャーと並行して練習しています。ファースト、サードを守るにしても基礎は変わらないので、そこまで苦はないですね。

――オフシーズンのリフレッシュは

同期のSFC(=湘南藤沢キャンパス)仲間20人くらいで遊びました。体育会の各部がオフシーズンを終えて、これからシーズンインするための決起会じゃないですけど、みんなで頑張ろうみたいな気持ちを込めて、1月くらいにやりました。

明るく質問に回答する福井

――夏の取材の際に関東と関西の違いに戸惑っている様子でしたが、慣れましたか

まさに今さっき、木澤(尚文=商3・慶應)さんがロッカーのところにいて、僕が電話していたのですけど、その時に木澤さんから「完全に標準語だな」と言われました(笑)。

――オープン戦を通して、それが成果となっている実感はありますか

関西でオリックスと試合をした時に、145キロ以上の速い球にしっかりと対応できたのが一番の収穫ですね。

――実際に、オープン戦ではマスクを被ることもありましたが、大久保秀昭監督からお話などはありましたか

つい最近、監督さんとお話をして、「何が起こるか分からないから準備を忘れるな」ということは言われました。僕の役割としては、もちろん郡司さんがいるので、何かがあった場合だけだと思うのですけど、チームの流れを変えられるようにしたいと思います。

――福井選手は、複数のポジションを守ることができますが、1つのポジションにこだわりたいという気持ちはありますか

本音はキャッチャーをやりたいですけど、チームの状況を考えると他のポジションができないと出場機会が減ってくるので、臨機応変に対応したいです。それでも、キャッチャーをやりたいという気持ちは忘れずにやっています。

――2年生になって、意識の面で変化を感じる部分はありますか

大きく変わっている部分はないですけど、1、2年後、チームを引っ張っていきたいと思っているので、コミュニケーションをしっかり取って、信頼を得ながら、みんなをまとめようという気持ちはあります。下級生を中心にフレッシュリーグもあるので、まとまろうという気持ちは出てきました。

――後輩との接し方で意識していることなどはあるのですか

基本的にあまり敬語を使われたくないので、距離感は近くでいいよという感じです。先輩って見てしまうと、固くなってしまうと思うので。例えば、試合に出ても思ったようにプレーできないということもあるので、やりやすい環境を作っていかなればならないと思います。僕が一個下の学年指導をしているので、一番話しかけてこいよ、という風に言ってやっています。

――プレーの面や人柄など含めて、注目しているルーキーはいますか

浦和学院出身の山本晃大(総1・浦和学院)は、バッティングがすごくて、1年浪人して入部しているのに、おごることもないので、本当に浦和学院で鍛えられていたのだなと思いました。

――チームの雰囲気は

4年生を中心に、良い関係を保ちながら、去年掲げていた『Family』のように良いチームだなと感じます。

――同期間の雰囲気は

僕たちの学年からは人数が少なくなっていて、その分ある意味まとまりやすくなっています。今年はフレッシュリーグもあるので、「フレッシュリーグでも頑張ってくれよ」、「フレッシュリーグのメンバーは僕たちに頑張ってくれよ」というようにお互いに相乗効果で頑張っていく雰囲気はあります。学年としてチームのために、という思いがある本当に良い学年だと思います。

――今年、福井選手が観客に注目してほしいところはどこでしょうか

ポジションにもよりますが、ファーストを守るのであれば打撃の方をメインに考えているので、勝負強い打撃を見てほしいなと思います。あとは、キャッチャーで出場することがあれば、チームの雰囲気が変わったなと、観客の人にも感じ取ってもらえるように、球場全体を巻き込んでやっていきたいと思います。

今季、打撃面でも注目される

――チーム内でどのような役割を意識してプレーしますか

ポジションを複数守ることになるので、いつ、どこで言われても常に力を発揮できるような準備を常にすることと、2年生ですけど、どんどん発言できる環境ですし、言いたいタイプなので、学年関係なくチームを引っ張っていくくらいの気持ちでやりたいと思います。

――他大の選手で対戦したい選手や、注目している選手はいますか

僕の中で4年間ずっと同じだと思うのですけど、早稲田の徳山(壮磨=スポ2・大阪桐蔭)です。高校の時にバッテリーを組んでいましたし、この前の社会人対抗戦で150キロを投げて、ライバルですけど僕も嬉しかったです。一番対戦したいですし、徳山も頑張ってほしいなという思いはあります。もちろん、対戦となったら絶対打ちたいなとは思っています。

――東京六大学リーグには早稲田の徳山壮磨選手や昨年の主将である中川卓也(スポ1・大阪桐蔭)選手など、多くの大阪桐蔭出身の選手がいますが、やはり特別な意識はありますか

僕であれば、岩本(久重=スポ2・大阪桐蔭)が早稲田にいて、いずれキャッチャーとしてベストナインを争うことになるので、ライバル意識もありますけど頑張ってほしいです。特に後輩は頑張ってほしいとは思っているので、切磋琢磨し合いながら、ライバル意識というよりもお互い頑張っていこうなって感じですね。

――今季の目標は

チームの勝利に貢献する、優勝に貢献するということです。

――リーグ戦に向けて意気込みをお願いします

まずは、去年の秋、負けた悔しさをどれだけぶつけられるかだと思うので、とにかく勝利にこだわって、優勝したいという思いがあります。個人としては、昨年チームの勝ちに貢献できずに試合出場も少なかったので、試合に多く出て飛躍の年になれば良いと思います。

(取材:菊池輝 写真:左近美月)

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