一緒に楽しむ読み聞かせ おはなしもこもこ 長崎県五島市

読み語りをした絵本にちなんだ紙人形劇を披露する(左から)市川さん、千早さん、村田さん=五島市立図書館

 「もーいいかい」「まあだだよ」-。ある土曜日の午前中、五島市池田町の市立図書館の一室。代表の市川和枝さん(56)は、チューリップの球根が土の中から出てくる様子を描いた絵本を手に、集まった子どもたちの反応を確かめるように優しい声を響かせた。
 読み終えた後はメンバーの村田真喜恵さん(56)、千早成美さん(31)も一緒に、紙人形劇でチューリップにチョウやハチが集まってくる様子を表現。子どもたちも「ちょうちょ」などと手をたたいて喜んだ。
 1998年設立。現在は保育士や看護師など男女8人が活動している。定期的な読み語り会は第1、第3土曜の月2回。この他に年十数回は、依頼のあった市内の保育園や小中高校、公民館などに出張する。毎週金曜は集まれるメンバーだけで、読み語りの練習や本の選定などをしている。
 活動は絵本の読み語りにとどまらず、人形劇やわらべ歌、影絵、手遊びなど、相手の年齢や要望に合わせて幅広く企画。20年以上携わる市川さんは、「読み語りはとても奥が深い。完璧にはできなくても、自分たちも一緒に楽しむことをモットーに長く続けていきたい」と話す。

仕事の合間を縫って読み語り活動を続けているメンバー=五島市立図書館

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