アメリカで麻疹(はしか)が流行中。非移民ビザで滞在している人は感染予防を

今年の1月から4月4日まででアメリカ各地で麻疹(はしか)に感染した患者は465人に達したとCDC(米疾病管理予防センター)が報告している。

2000年には一度収束状態を宣言されたが、現在までアメリカ19州で感染が確認され、その後2014年に次ぐ2番めの患者数の増加となっている。

感染元の特定はできていないが、過去の例をみると海外からの旅行者がアメリカに持ち込んだケースや、予防接種を受けていない市民が感染を拡めていることがわかっている。2014年の大流行ときはオハイオ州の予防接種未接種のアーミッシュ・コミュニティの人々が多く感染していた。またフィリピンで流行した型と同類だったことから感染している旅行者が持ち込んだとされている。

麻疹は感染力が強く、風邪とよく似た初期症状のため感染者自身が気づかずに学校や職場で周りの人にうつしてしまうことがある。また症状が悪化すると中耳炎、肺炎、更にひどくなると脳炎などの合併症を伴うことがあるので高齢の方など抵抗力の弱い人にとっては要注意だ。

移民ビザを取得しアメリカに滞在する人は渡米前に予防接種をするので感染のリスクは低いが、非移民ビザでアメリカに滞在する人は注意したい。日本では1991年以降、麻疹の予防接種は2回受けることが義務付けられたが、1977年から1990年に生まれた人は1回しか予防接種を受けていないので感染のリスクが高め。特に妊婦が感染すると流産や早産の可能性が高まるので特に注意が必要。

今回、感染者が確認されているアメリカ各州は次の通り。
アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、コネティカット、フロリダ、ジョージア、イリノイ、インディアナ、ケンタッキー、マサチューセッツ、ミシガン、ミズーリ、ネバダ、ニューハンプシャー、ニュージャージー、ニューヨーク、オレゴン、テキサス、ワシントン

感染地域など詳細についてはCDCのウェブサイトで確認できる。
https://www.cdc.gov/measles/cases-outbreaks.html

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