樋合島リゾート、今度こそ 21年に富裕層向けの宿 熊本県上天草市

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リゾート宿泊施設建設予定地の地図を示すマリーゴールドの山崎茂会長=熊本市東区
マリーゴールドがリゾート宿泊施設建設を計画している樋合島西側の山林(右)。手前がフィッシャリーナ天草。左は高杢島=上天草市(同社提供)

 熊本県上天草市松島町の樋合島に高級リゾート施設が開業する見通しとなった。結婚式場を運営するマリーゴールド(熊本市)が、富裕層をターゲットにした宿泊施設の建設を計画。2月、上天草市と企業進出協定に調印した。同市では観光拠点施設の整備も進んでおり、国内外からの観光客を迎える施設が充実する。

 樋合島は天草2号橋西側にあり、16ヘクタールの山林の中に一戸建ての宿泊棟など約30棟を点在させる計画。森の中にある別荘から、眼下の海をプライベートビーチのように眺められる配置とする。

 「抜群の景観。結婚式場の運営で培ったノウハウを生かし、国内外から富裕層を呼べる場所にしたい」と同社の山崎茂会長(63)。雲仙天草国立公園の第2種特別地域のため、木の伐採は最小限にとどめ、山林の環境を生かすという。

 今年9月に着工し、2021年夏に開業予定。土地取得も含め総事業費は20億円。50人の新規雇用を見込む。

 樋合島のリゾート計画は、平成初期の1990年に県が策定した「天草海洋リゾート基地構想」に基づく。97年、県主導でボートの係留施設、フィッシャリーナ天草や樋合海水浴場がオープンした。

 しかし中核施設となるはずだった宿泊施設は、県外企業による用地買収が難航し断念。その後も進出を募っていたが、名乗りを上げる企業はなかった。

 状況が変わったのは15年。上天草市出身の山崎会長が、「地域の活性化につながる事業を手掛けたい」と市に相談したところ、樋合島の市有地を紹介された。「景観の良さだけでなく、フィッシャリーナに近いというメリットがあった」と山崎会長。「ターゲットの富裕層には船を所有している人も多い。各地からクルーザーで来ることも十分期待できる」

 フィッシャリーナを運営する市や県によると、リゾート開発が頓挫したことで苦境が続いていたが、クルーザーやヨットの所有者による係留が増え、施設の収支は近年改善傾向にある。

 上天草市では、前島(松島町)で建設中の観光交流拠点施設が今秋にもオープン予定だ。

 市は4月の組織改編でリゾート構想と観光交流拠点施設を担当する部署を、「開発プロジェクト推進課」に格上げした。同課は「リゾート開発で、交流人口拡大や地元雇用の創出、農水産物の消費拡大につなげたい」としている。(大倉尚隆)

(2019年4月10日付 熊本日日新聞朝刊掲載)