4/12「ビューティフル・ボーイ」シャラメ、ドラッグ依存熱演

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少年がある時期だけ放つ純度の高い美しさ。その輝きを瑞々しく掬い上げた感動作「君の名前で僕を呼んで」から1年。奇跡の美しさと称されたティモシー・シャラメが主演を務める新作「ビューティフル・ボーイ」がついに2019年4月12日公開!シャラメに再び会える喜びを、あなたも。(文・川口 敦子/デジタル編集・スクリーン編集部)

「君の名前で僕を呼んで」で新世代スター最前線に躍り出たティモシー・シャラメ待望の新作

8年にわたるドラッグ依存を克服した実在のライター、ニック・シェフの再生への闘いの軌跡を鮮やかに体現し、ゴールデングローブ助演男優賞候補以下、今年の賞レースでも「君の名前で僕を呼んで」同様、脚光を浴びた。

自慢の息子の転落にうろたえ絶望し、それでも救いへの道を探り続ける父デヴィッドを「フォックス・キャッチャー」のスティーヴ・カレルが熱演。「インソムニア」のモイラ・ティアニーと「バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」のエイミー・ライアンがニックの義母と実母に扮して、それぞれのやさしさを象る。「フロントランナー」のケイトリン・デヴァーがニックのガールフレンド役で共演。「普通の人々」のティモシー・ハットンもカウンセラー役で顔を見せる。

父と子それぞれが記した回想録の脚色にあたったのは「LION/ライオン25年目のただいま」のルーク・デイヴィス。監督は「オーバー・ザ・ブルースカイ」で注目を集めたベルギー生まれの気鋭フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン。初の英語作品でサンダンス映画祭ワールド・シネマ・ドラマ部門監督賞に輝いている。

愛すべき息子に一体何が起きたのか?

「息子のことで相談があります」――カウンセラーにおずおずとそう切り出した売れっ子音楽ライター、デヴィッド・シェフ(カレル)。最悪のドラッグ、クリスタル・メスに取り憑かれた息子ニック(シャラメ)を助ける術は?と真顔で訴える父の脳裏に“自慢の息子(ビューティフル・ボーイ)“と共に過ごしたいくつもの時が蘇る――。

一年前。唐突に姿を消したニックの身を案じてデヴィッドは、地元マリン郡総合病院に問い合わせ、LAに住む別れた妻ヴィッキー(エーミー)にも電話する。息子と十分に会えない不満をぶつける彼女との気まずい口論の後味を噛みしめるデヴィッド、そのやり場のない気持ちをキャンバスに向かっていた再婚相手で画家のカレン(モイラ)が無言で受けとめる。彼女との間に最初の子ジャスパーが生まれた時、「すごいや!」と弟を抱きとめて無邪気に叫んだ幼いニックの姿が思い出される。

夏の間、LAの母の下に行く彼を空港に送った日、父と息子はいつものように「すべて」という合言葉でハグを交わした。「すべて」、それはこの世のすべてを超える至上の愛を互いに確認し合うふたりの儀式だった。そんなふうに固い絆で結ばれていた父と息子をドラッグが引き裂いていく。

ようやく帰宅したニックのひどい有様を見てデヴィッドは治療施設に彼を預ける。が、間もなくニックは再び姿を消した。それはふたりの母、幼い弟妹も巻き込んだ家族の闘いのほんの序の口に過ぎなかった。

キャラクター

愛で結ばれた親と子。それは救い?それとも…

【息子】 ニック・シェフ(ティモシー・シャラメ)

“これが僕なんだ。こんな僕は嫌い?”

成績優秀、スポーツ万能。自慢の息子は、父やその新しい家族の期待に応えようとしてきたが、ふと手を出したドラッグが別の(もしかしたら本当の?)自分への目覚めを凶暴に押し進める。理由なき反抗?でも今の自分をありのままに受け容れてほしい。不可能を承知でそう望む。やがて、書くことで生き延びていけたらと、闇の中で幽かな希望の光を感知し始めていく。

【父】 デヴィッド・シェフ(スティーヴ・カレル)

“すべての言葉を集めても、お前への愛を伝えきれない”

順調なキャリア、再婚相手とのピースな家庭、何より最愛の息子ニックとの絆を誇りに生きてきた男が、他ならぬ息子のせいで絶望の淵に追い込まれる。助けたい思いが余って息子を制御してしまう。愛が支配の重さとして息子を苦しめると気づいた時、助けたいという傲慢を捨て突き放す愛情を学ぶ父もまた、成長の物語を生きている。

【母】 ヴィッキー(エーミー・ライアン)

かつて幼いニックより仕事をとったらしいデヴィッドの元妻は、LAで優雅にオフィスを構え、病んだ息子を風通しのいい家に招いて再生への試みの場を提供する。遅れてやってきた母性の出番は微笑ましく、また悲しい。

【義母】 カレン(モイラ・ティアニー)

デヴィッドを支える静かな人は、ニックの心にも無闇に踏み入らず、しかし理解を示す。氷と炎の均衡を保つ彼女が、ニックと波乗りをしたがる実の息子を止める様、ニックの車を猛追する様。静かな人の熱さは目にしみる。

心を揺さぶる感動のドラマはこうして作られた

映画の語り部となっている音楽

「ベニスに死す」の伝説の美少年ビョルン・アンデルセンとも比べられた「君の名前で僕を呼んで」のティモシー。その新作にあまりにふさわしいタイトル「ビューティフル・ボーイ」は、音楽ライターでもある原作者デヴィッド・シェフがジョン・レノンの曲にちなんでつけたもの。レノン最期のインタビューも手がけたデヴィッドにとって、亡きスターが当時5歳の愛息ショーンに捧げたこの曲はとりわけ思い入れのあるもので、自身の幼い息子ニックへの、はたまた依存症に蝕まれた彼への子守歌として映画でも印象的に使われている。監督が原作にある様々な楽曲を効果的に採り入れ、音楽を映画の語り部としている点もお聴き逃しなく!

20テイクも重ねた父子の対面シーン

自慢の息子でなく、今の僕をありのままに受け止めて――幼い頃から父と通ったカフェの同じ座席で父と対峙し訴えるニックの感動的なシーン。クランクインからわずか3日目に撮ったこの緊迫の一場では、2台のキャメラを同時に回して父子それぞれの演技を中断することなく撮影。20テイクも重ねて、「映画の中でも一番好きなシーン」とティモシーも胸を張る迫真の場面となった。

「君の名前」以前からティモシーに注目

「それでも夜は明ける」「ムーンライト」とオスカー受賞作を連発する製作会社プランB。噛みごたえある才能をいち早くチェックする嗅覚を備えたプロデューサーとしても注目のブラッド・ピットが率いる同社で、彼とタッグを組む共同社長デデ・ガードナー女史の提案で、「君の名前で僕を呼んで」が世に出る前のティモシーをニック役にと白羽の矢が立った。オーディションで父役カレルとがっぷり四つの演技を見せた若きアクターを「完璧」と評した監督以下、満場一致で配役が決定した。

エンドロールに流れる印象的な詩は?

エンドロールに流れるのは酔いどれ詩人ことチャールズ・ブコウスキーの“LetIt Enfold You”の詩句。どん底を通過して斜めに構えて見ていた世界のささやかな美しさ、涙ぐましさに気づく人の感慨をさらりと的確に表現するティモシーの朗読、明かりがつくまでじっくりとご賞味ください。

製作陣

【原作】 デヴィッド・シェフ

1955年生まれ。ライターとしてローリング・ストーン誌等の雑誌や新聞に寄稿。J・レノン最期のインタビューも手がけている。2008年、NYタイムズ・マガジンに掲載の記事を元に父の視点を軸とした今回の原作“Beautiful Boy : A Father’s Journey Through His Son’s Addiction”を上梓、数々の賞に輝いた。

【原作】 ニック・シェフ

1982年生まれ。自身のドラッグ依存症体験を綴った回想録“Tweak”と“We All Fall Down”でベストセラー作家に。前者が今回の映画の息子の側を描くもうひとつの原作となっている。2014年には小説“Schizo”を発表。雑誌への寄稿で活躍しつつ「13の理由」など脚本家としても実績を積んでいる。

【監督】フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン

1977年ベルギー生まれ。カントリー音楽で結ばれた夫婦を襲う試練を回想を駆使して見つめた「オーバー・ザ・ブルースカイ」(2012)で国際的にブレイク。アルコール依存の父、3人の叔父と祖母の下で成長する少年を追う「あきれた日常」(2009)、バー経営に乗り出した兄弟の混乱を描く「ベルヒカ」(2016・日本未公開)と家族を主題にした映画で高い評価を集めている。

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