牛久、龍ケ崎市 禁煙外来、治療費を助成 健康増進や受動喫煙対策

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受動喫煙防止を訴えるポスター=龍ケ崎市馴馬町

禁煙外来の治療費を助成する動きが茨城県内の市町村で現れ始めた。市民の健康意識醸成に加え、疾患を引き起こすリスクのある受動喫煙の元を絶つのが狙いだ。将来の医療費を抑えたい思惑もある。受動喫煙対策を盛り込んだ改正健康増進法を背景に、県南地域の牛久、龍ケ崎の2市が先駆けて導入した。ただ、せっかくの治療を途中でやめてしまう喫煙者が一定数いる悩みもある。

■家族のために

「受動喫煙のない健康社会へ」-。龍ケ崎市馴馬町の市保健センター。たばこの害を訴えるポスターが所狭しと張られている。

市は本年度、禁煙外来の治療費を最大で1万円補助する制度を新たに始める。妊婦のほか、妊婦や子ども(18歳未満)と同居する喫煙者が対象。治療を満了した際に、診療明細を市に提出して助成金を受け取る仕組みだ。国と自治体に受動喫煙の防止措置を推進するよう定めた改正健康増進法(1月に一部施行)の趣旨に基づく。

市の調査によると、育児期間中の家庭の喫煙率は2017年の速報値で、父親が42.2%、母親が7.8%だった。いずれも全国平均の37.8%、6.6%を上回った。受動喫煙は、胎児の早産や子どものぜんそく発症といった危険性を高めるとされる。

市健康増進課の唯根敦美課長補佐は「家族のためならやめるという人はいるはず。たばこが原因の疾患を防げば、医療費も抑えられる」と強調する。

■“脱落”3割

牛久市は改正健康増進法が施行される前の16年度、県内で初めて助成を開始した。毎年20人ほどの申請があるという。市はホームページに禁煙に成功した市民の体験談を掲載し、動機付けも図っている。

母子手帳の交付に合わせて助成制度を案内しているが、「まだまだ周知されていない」(市健康づくり推進課)のが現状だ。市は本年度予算に広報費を計上。ポスターを作り、行政機関や店舗に貼り出して認知度を高めていく構えだ。

一方で、数カ月間に及ぶ治療を満了できない喫煙者がいる課題も残る。牛久市の実績をみると、申請者のおよそ3割が途中でやめてしまっているという。担当者は「受動喫煙防止は自治体の責務。もうちょっと助成できる人を増やしたいのですが」と残念がる。

行政による支援を巡り、日本禁煙学会の作田学理事長は「(助成は)たばこをやめたいと考えている層にある程度の効果がある」と評価。治療についても「ニコチンの依存症に負けて脱落してしまう難しさもあるが、2、3回と(外来に)挑戦することで禁煙を達成できる可能性は高くなる」と力説した。(鈴木剛史)

★禁煙外来
医療機関で12週間にわたり計5回の治療を受ける。医師の指導下で、禁断症状を抑える貼り薬や内服薬を用いる。2006年から、一定の基準を満たすことで保険が適用されるようになった。3割負担の場合、費用は最大でも2万円前後という。