高知を中心にパチンコホールなどを経営していた土高興業(株)が特別清算開始決定

 土高興業(株)(TSR企業コード:830025928、法人番号:9490001001452、中央区日本橋3-7-10、設立1958(昭和33)年4月、資本金1600万円、代表清算人:宮地真人氏)は3月29日、東京地裁から特別清算開始決定を受けた。
 負債総額は約110億円の見込み。

 1949年4月に創業し、高知市を拠点に高知県東部の各地へパチンコ店を出店。1971年の東京進出を足がかりに、1986年には横浜市ヶ尾店、松山福音寺店と県外にも出店していった。さらに、安芸市にホテルタマイを開設してホテル事業にも進出して業容を拡大し、ピーク時には全国にパチンコホール21店舗を擁し、1992年3月期には売上高約628億円を計上した。
 しかし、バブル崩壊に伴いそれまでの積極投資が裏目に出て資金繰りが逼迫。ファイナンス会社の支援を得て経営再建に着手し、不採算店閉鎖により1999年3月期に売上高が300億円を割り込んだ。その後は経営体質の改善に伴って増収へと転じたものの、高知県外資本の同業大手の進出や消費低迷等から、2005年3月期に売上高475億円を計上してからは再び減収となり、同年12月以降、ファクタリング会社などに債権が譲渡された。
 1円パチンコの台頭等もあり、2012年3月期には売上高が再び300億円を割り込み、以降は店舗閉鎖や遊休不動産の売却、遊技台の処分等を進め、売上高はさらに低下。2018年3月期は売上高約200億円まで落ち込んだ。
 こうしたなか、2018年1月22日に(株)玉井会館(現:(株)玉井、TSR企業コード:027095797、法人番号:9490001008860、高知市)を設立し、事業を移管。当社は(株)玉井から現商号に変更したうえで同年12月3日、現在地に移転し12月13日、株主総会の決議により解散していた。

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