「仕方ない」→「残念」 横浜市議選・無断「推薦」に市長

林文子横浜市長(資料写真)

 横浜市議選瀬谷区選挙区で再選した自民党川口広氏(38)が選挙運動用はがきに林文子市長の推薦を受けているかのような文言を無断で記載していた問題で、市長は11日、いったん「仕方ない」との認識を示し、すぐさま「残念だ」と訂正した。

 市長は会見で、どの候補者も推薦しないスタンスで、自身の事務所を通じて抗議したと説明。その上で、「(同氏の事務所から)『単純ミスで、大変申し訳ない』と言っていただいたので、私としては仕方ないと思っている。恐らく、議員さん自身も承知していない中で起きたと判断している」と説明した。

 仕方ないとの認識かと記者から確認されると、すぐに「大変残念。ただ、すぐにミスだったと言っていただいたので、そういう意味では安堵(あんど)した」と言い直した。

 市長の事務所は4日に訂正を求める文書を送付したが、その後、訂正したかの確認まではしていないという。

 公職選挙法では、当選を得る目的で候補者の経歴や推薦などに関して虚偽の事項を公にした者は、2年以下の禁錮または30万円以下の罰金としている。

 2011年の市議選で民主党と諸派の現職候補が市長から推薦を受けているような文言を本人の許可なく選挙運動用ポスターに記載した際には、市長は会見で「はなはだ不本意」と述べるなど、不快感をあらわにしていた。

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