大量懲戒請求、賠償満額命じる 被告6人に横浜地裁

 大量の懲戒請求を出されて業務を不当に妨害されたなどとして、神奈川県弁護士会の嶋崎量弁護士が、懲戒請求者計96人に損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁(石橋俊一裁判長)は11日、このうち6人に対する判決を言い渡し、請求の満額に当たる各33万円の支払いを命じた。

 石橋裁判長は判決理由で、「懲戒請求は法律上の根拠を欠くものだ」と違法性を認定した上で、「請求を受けた弁護士は社会的な信用で大きな影響を受ける恐れがある」と指摘。懲戒請求に反論するため事務的な負担と精神的な苦痛が嶋崎弁護士に生じたとして、6人に賠償を命じた。

 判決によると、嶋崎弁護士は2017年9月下旬、大量に懲戒請求された別の弁護士に同情する意見を会員制交流サイト(SNS)上に投稿。その後、懲戒請求が相次ぎ、最終的に約950件に上った。

 嶋崎弁護士は18年11月以降、懲戒請求者らを相手取り段階的に提訴。他の90人への判決も今後、順次言い渡される見込み。「主張が全面的に認められ、適切に判断いただいた判決で喜ばしいものだ」と評価した。

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