トラブル制止の警官から拳銃奪い発砲 横浜、けが人なし

警察官が拳銃を奪われ発砲事件が起きた現場=12日午後1時半ごろ、横浜市磯子区

 12日午前11時半ごろ、横浜市磯子区岡村1丁目のアパート敷地内で、トラブルの対応に当たっていた磯子署の男性巡査部長(37)の拳銃を男が奪い、1発発砲した。けが人はなく、男はその場で公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕された。署が発砲に至った経緯を詳しく調べている。

 署によると、同容疑者(31)=自称同区岡村1丁目=は直前に現場近くにいた男性と何らかのトラブルになったとみられ、目撃者の110番通報を受けた巡査部長ら2人が駆け付けた。

 同容疑者が男性に近づこうとしたため、巡査部長が制止しようと割って入ったところ、右腰の拳銃ホルダーから拳銃が引き抜かれ、もみ合いのさなかに1発発射されたとみられる。銃弾は近くの路上に落ちているのが見つかった。

 逮捕容疑は、同日午前11時35分ごろ、男性巡査部長の拳銃ホルダーを壊すなどの暴行を加え、職務の執行を妨害した、としている。調べに対し、「間違いない」と容疑を認めている。

 松本光好副署長は「詳細を調査し、結果を踏まえて適正に対処する」とコメントした。

 現場はJR根岸駅から西に約1.3キロの住宅街。近くに住む60代の主婦は「タイヤがパンクするような音が聞こえ、男が取り押さえられていた。怖かった」と声を絞り出した。

 トラブルに遭った男性から話を聞いたという40代の男性会社員は「車の運転席側のドアを複数回蹴られ、もみ合いになったと話していた」と説明。警察官の拳銃が奪われ、発砲された事態については「今後こういったことがないようにしてほしい」と話した。

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