元DeNA久保康友、7回8安打4失点でメキシカンL開幕2連勝「打線のおかげ」

敵地ピラタス・デ・カンペチェ戦に先発した久保康友【写真提供:ブラボス・デ・レオン】

初回に1死も奪えぬまま2被弾4失点も…ベテランらしいマウンドさばきで7回投げきる

 メキシカンリーグのブラボス・デ・レオンに所属する元DeNAの久保康友投手が11日(日本時間12日)、敵地カンペチェで行われたピラタス・デ・カンペチェ戦に先発し、7回8安打4失点で2勝目を飾った。チームは打線の大量援護で13-4で大勝。3勝3敗の勝率5割に戻した。

「日本と似ている気候だったので、暑さは気にならなかった。今日(の勝利)は打線が打ってくれたおかげです。配球での戸惑いはあったが、4番にはうまいこと打たれた」

 7回無失点と好投した開幕戦から中5日での登板。1点の先制点をもらってマウンドに上がった初回、四球と左前打で1、2番打者に出塁を許すと、3番打者に右越え3ランを献上。続く4番打者にも初球を左翼後方に運ばれて連続被弾した。ボールが高めに浮き、1死も奪えぬまま4点を失った。

 だか、その後も冷静だった。捕手のリードに対して意見を出し、攻め方を変えるなど、ベテランらしいマウンドさばき。メジャー経験のある、続く5番打者を打ち取り、ペースを掴むと、2回以降はスコアボードにゼロを並べ、7回95球で先発としての役割を果たした。

所要12時間以上の長旅も「去年はもっと大変だったから平気」

 ユカタン半島に位置するカンペチェは海抜0メートルで、高温多湿な気候。空気が乾燥していてボールが操りにくく、気圧が低いため打球が低地よりも飛ぶ標高約1800メートルの本拠地レオンに比べ、変化球の曲がりは倍以上となる。だが、カンペチェ入りした8日以降、日によって湿度が違ったため、久保は予定を変更し、中5日の登板ながら登板前々日、前日と2度ブルペン入り。「気候によってボールの軌道も変わってくるから」と、入念に準備をしてこの日を迎えていた。この日は前日、前々日よりも蒸し暑かったが、水分をこまめに摂取し、対策もバッチリだった。

 カンペチェはかつて要塞都市だったことで知られており、前日10日には市内の砦を回るなど、メキシコの歴史や文化も積極的に吸収しようとしている久保。移動日だった8日にはレオンから約3時間かけてグアダラハラにバスで移動し、飛行機でメリダまで飛んだ後、再びバスで約3時間掛けてカンペチェ入り。所要12時間以上の長旅となったが「去年プレーしていたアメリカの独立リーグはバス移動がもっと大変だったから平気」と、たくましい。

 次回は17日に本拠地にレオンで行われるオルメカス・デ・タバスコ戦での登板となる見込み。ブラボスの投手コーチからは早くも「お前なら(夏よりもレベルが高い)ウインターリーグでもやれる」と太鼓判を押す声があがるなど、チーム内でも評価が高いエース。次戦は元ソフトバンクのバーバロ・カニサレスが打撃コーチを務める相手を前に、開幕3連勝の期待がかかる。(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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