横浜事業所に蓄電池工場新設 東芝、20年10月稼働へ

 東芝(東京都)が、横浜市磯子区にある横浜事業所内に車載用途向けのリチウムイオン2次電池の工場と研究所を新設することが12日、明らかになった。電気自動車(EV)などでの需要拡大をにらみ、製造拠点を増やし、生産能力の強化を図る。2020年10月の稼働開始を目指す。

 経営危機に陥った東芝は半導体メモリー事業を売却し、稼ぎ頭を失った。車載用途向け電池は今後も需要が増えると見込まれており、新たな柱に育てたい考えだ。

 同社のリチウム2次電池は、安全性と長寿命、急速充電などの特徴が評価され、ハイブリッド車や無人搬送車、鉄道向け蓄電池システムなど幅広い分野で採用されている。国内では柏崎工場(新潟県)が唯一の製造拠点だったが、横浜に車載用途向け電池の中心拠点を新設することで、事業の推進体制を強化する。

 2018年5月に発表した5カ年計画「東芝Nextプラン」では、新規成長事業である電池事業の強化を打ち出していた。

 県によると、新設に伴う投資額は約159億円で、操業開始時の雇用人数は99人。県の企業誘致促進補助金(投資額の5%)や税制措置(不動産取得税の2分の1軽減)を利用する。

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