真庭「大御堂」柱に県内最古木材 平安末期のスギ材と市発表

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県内最古の平安末期のスギ材が使われていたことが分かった「大御堂」

 真庭市は12日、同市社(やしろ)の「大御堂(おみどう)」(市重要文化財)の柱に、岡山県内の木造建築物の部材では最古となる平安末期の12世紀半ばのスギ材が使われていたことが分かったと発表した。県内で最も古い鎌倉時代に建立された国重要文化財・長福寺三重塔(美作市真神)より、100年ほど古いという。

 市が、かやぶき屋根のふき替えをするのに合わせ、山形大の高感度加速器質量分析センターに昨年12月、放射性炭素による年代測定を依頼した。

 柱や羽目板など5カ所のスギ材を調べた結果、柱の1本が県内の建築物では最古の1156年、他の4カ所も室町時代の1453年までに伐採された可能性が高いことが判明した。年代に幅があるのは修繕を繰り返したためと考えられるという。

 大御堂は、江戸時代の元禄年間の書物・作陽誌に1185年に前身の寺が建立されたと記されているが、建立や修復歴を示す棟札は見つかっていない。

 社地区の歴史に詳しい前原茂雄・市蒜山郷土博物館長は「木材を伐採・加工し、乾かす工程まで考えると、1185年とされる創建時期と重なり、県内最古の部材であることを裏付ける有力な手掛かりになる」と話す。

 市は、大御堂など社地区の社寺を巡るツアーを毎月第2土曜と第4日曜に実施している。太田昇市長は会見で「豊かな伝統や文化を未来に残す取り組みを進めている市にとって、今回の調査結果は喜ばしい。大御堂の由緒をPRし、地域の活性化につなげたい」と述べた。