チャック・ベリーからクラプトンまで

「プレイ・イット・ラウド:ロックンロールの楽器」メトロポリタン美術館

©Yomitime Inc.

楽器を通して見る偉業と文化

メトロポリタン美術館で、有名ミュージシャンが愛用した楽器を集めた展示「プレイ・イット・ラウド:ロックンロールの楽器」が4月8日(月)から始まり、10月1日(火)まで開催される。「ロックの殿堂」との共催で、美術館で行われるロックンロールをテーマにした大規模なエキシビションは今回が初。ギターを中心に、ベース、ドラム、キーボード、ピアノ、ホーン、アンプなど、1939年以降に発売された130点以上を展示。ボブ・ディラン、エルビス・プレスリー、プリンス、キース・リチャーズ、ブルース・スプリングスティーン、レディー・ガガ、ジョン・レノンなど、ミュージシャン80人以上の足跡を辿る。

説のギタリスト、エドワード・ヴァン・ヘイレンが自ら組み立て、ペイントしたギター「フランケンシュタイン(フランケンストラット)」。「巷に自分が望んでいたギターが無かったから作った」というヴァン・ヘイレン。ギターメーカーの「ギブソン」と「フェンダー」を組み合わせたもので、ロック史上最も有名な一本だ。

展示風景。(左から)ニール・ヤングの「フライングV」、ヴァン・ヘイレンの「フランケンシュタイン」、 ジョニ・ミッチェルの「ジョージ・ベンソン・シグネチャー・モデル、トム・モレロの「ソウル・パワー」、 ジョー・ペリーの「X-100ブレード・ランナー」、ジョージ・ハリソンの「モデル425] Photo Courtesy The Met Fifth Avenue

ロック界で白人が主流だった当時、サイケな衣装でギターをかき鳴らして登場した黒人のジミ・ヘンドリックス(以下ジミヘン)。彼が1967年から69年まで愛用したギター「『ラブ・ドロップス』フライングV」は、アルバム「エレクトリック・レディランド」に収録された「ウォッチタワー」でも使用されたという。

ジミヘンの「『ラブ・ドロップス』フライングV」(Photos by YOMITIME)

ブルース・ギタリストのスティーヴィー・レイ・ヴォーンのギター「ナンバー・ワン」。デヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」で、リードギタリストに抜擢された際にも使用された。

スティーヴィー・レイ・ヴォーンのギター「ナンバー・ワン」

女性バンドの元祖「ランナウェイズ」のギタリストで、後に自身のバンド「ジョーン・ジェット&ブラックハーツ」を立ち上げたジョーン・ジェットのギター「メロディ・メーカー」。ヒット曲「アイラブ・ロックンロール」や「バッド・レピュテーション」で使用。フェミニズムや同性愛者を祝福するステッカーで飾られている。

ジョーン・ジェットの「メロディ・メーカー」

展示最後を飾るのは、ジミヘンの「ストラトキャスター」と、エリック・クラプトンの「000-42」。ジミヘンは、1969年のウッドストックで国家「星条旗よ永遠に」をこのギターで演奏。クラプトンの「000-42」は、2004年のオークションでアコースティック・ギターの最高値、79万1500ドルがついた。

ジミヘンの「ストラトキャスター」(左)とクラプトンの「000-42」

ギターの他にも、レディ・ガガのカスタムピアノ、リンゴスターのドラムセット、スティーブ・ミラーのアナログシンセサイザー、ビンテージ衣装、ポスター、インタビューやライブ映像など展示品は多種多様。それぞれに持ち主や背景、スペック情報などが添えられ、テクノロジーの進化、視覚的に見せる個性など、ロックを中心に現代の音楽シーンをフォーカス。ミュージシャンの「分身」とも言える楽器を通して、彼らの偉業と文化的な影響を考察する。 

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プレビューにレジェント来場!

4月1日、オープニングに先駆けて行われたプレビューでは、ドン・フェルダー、ジミー・ペイジ、スティーブ・ミラー、ティナ・ウェイマスが来場して、それぞれが音楽にかける想いや思い出などを披露。式典でフェルダーは、白いダブルネックのギターを手に「ホテルカリフォルニア」の一部を演奏、本展開催を祝福した。

「ホテルカリフォルニア」を披露したドン・フェルダー
Play It Loud: 
Instruments of Rock and Roll
■4月8日(月)~ 10月1日(火)
■会場:The Met Fifth Avenue
 1000 Fifth Ave.(Floor 1/Gallery199)
■大人$20、65歳以上$17、学生$12、メンバー/12歳以下無料
※NY州居住者およびNY州/NJ州/CT州の学生(要ID)は入場料任意
www.metmuseum.org

よみタイム 2019年4月12日号掲載