【機内食ルポ】4つ星エアライン「ベトナム航空」大阪=ダナン<エコノミークラス>

海外旅行の楽しみのひとつが、機内食という人も少なくないのでは?今大注目のベトナムの旅先といえば、中部のリゾート地ダナン。ベトナム航空は、2018年10月に大阪=ダナン線を新規開設しました。今年日本就航25周年を迎える4つ星エアラインの機内食とは・・・就航間もない大阪=ダナン線の機内食をルポします。

4つ星エアライン、ベトナム航空

1993年にベトナムの国営航空として設立された、ベトナム航空。デルタ航空やエールフランス同様スカイチームの一員であり、2016年~2018年にかけて、3年連続で4つ星エアラインに認定されています。

日本への就航は、創設翌年の1994年のこと。大阪=ホーチミン線からスタートし、2019年の今年は日本就航25周年を迎えます。2018年10月には、近年注目を浴びるベトナム中部のリゾート地、ダナンと大阪を結ぶ新路線を開設。就航したばかりのベトナム航空・大阪=ダナン線のエコノミークラスに搭乗し、機内食を味わってきました。

昼食前のスナック

関西国際空港を離陸し、安定飛行に入ったら、まずはおしぼりが渡され、続いて冷たい飲み物が提供されます。10年前にベトナム航空に搭乗した際は、おしぼりについた花のような強い香りが印象的でしたが、今ではその強い香りは消えていました。

スナックとして出されたのは、QBBのおつまみミックス。特に変哲のないおつまみでも、空の上で食べると格別においしく感じられるのは筆者だけでしょうか。

飲み物は、ワインや日本酒、カクテル、ビール、オレンジジュース、トマトジュース、コーラ、セブンアップ、スプライト、ジンジャーエールなどから選ぶことができます。

大阪~ダナン機内食(昼食)

ベトナム航空大阪発ダナン行き(VN337便)は、9:30関西国際空港発、12:55ダナン国際空港着。機内食は昼食が提供されます。エコノミークラスのメニューは、和食と洋食の2種類。

この日の和食は、海老のマリネ・たたきごぼう・ごま豆腐、切り干し大根・いんげんの胡麻和え、赤魚の揚げあんかけ・俵ごはん、ソフトロール、和菓子というメニュー。対して洋食は、サーモンマリネとポテトサラダ、フレッシュフルーツ、ローズマリーチキン・サフランサイス、ソフトロール、コーヒームースという構成。筆者は洋食をチョイスしました。

見た目は特に豪華でもなく、オーソドックスなエコノミークラスの機内食といった雰囲気です。最近はエコノミークラスでも、機内食の容器をおしゃれに演出しているエアラインも増えているので、容器を工夫すればもっと華やかに見えるはずです。

一方で、メインディッシュがアツアツだったのはポイント高し。チキンは柔らかくジューシーで、トマトソースは機内食にありがちな大味ではなく、ちゃんとフレッシュなトマトの甘酸っぱさが感じられたので、メインディッシュのクオリティは見た目以上と感じました。「洋食」に分類されているものの、実際にはモロッコを連想するような、ちょっとエキゾチックなお味です。

メインディッシュとともに好印象だったのが、デザートのコーヒームース。個人的に、機内食のデザートは甘すぎて一口で食べるのをやめてしまうことも多いのですが、このコーヒームースは甘すぎず、適度なコーヒーの苦みが生かされていて、あっさりと完食できました。「コーヒームース」というチョイスは、ベトナムが世界第2位のコーヒー生産国であることと関係があるのでしょうか。

食後には、ベトナム緑茶、日本茶、紅茶、コーヒーなどの温かい飲み物のサービスもあります。5時間弱の空の旅を経て、この日は定刻より40分以上も早くダナン国際空港に到着しました。

ダナン~大阪機内食(朝食)

ベトナム空港ダナン発大阪行き(VN336便)は、0:25ダナン国際空港発、7:20関西国際空港着の深夜便です。東南アジア発の日本線は、深夜の出発が多いですね。そのため、機内で出される食事は朝食です。

メニューは、季節のフルーツ、新鮮な野菜・ハム添え、蒸し豚と卵の中華風・おこわ、プレーンヨーグルト、パンという構成。メインディッシュは、マトウダイの和風ソースご飯添えを選ぶこともできました。

エコノミークラスの機内食の場合、朝食はパンと卵料理とフルーツという簡素なメニュー―も少なくないので、このラインナップは朝食としてはボリュームたっぷりで豪華といえそうです。

メインディッシュの蒸し豚と卵の中華風・おこわは、しつこくない味付けで、中華風とはいえ、どことなくベトナムらしさが感じられる味わい。豚肉の上には、揚げたうずらの卵が載っています。味は決して悪くはなかったのですが、いかんせん深夜便のため、身体がついていかずあまり食を進めることができませんでした。

個人的に嬉しかったのが、食欲がないときでも食べやすいフレッシュフルーツとパン。フルーツはともかく、なぜパンが嬉しかったのかというと、機内食にありがちなロールパンではなく、クロワッサンだったからです。つぶれていて見た目は良くありませんが、しなしなというわけではなく、機内食としてはおいしいクロワッサンでした。このあたりも、フランス統治の影響でパン文化が発達したベトナムらしさを感じるところです。

4時間半ほどのフライトを経て、復路も定刻より20分ほど早く到着しました。

総評:ベトナム航空の機内食はそこそこ

世界には機内食がおいしいことで評判の航空会社もありますが、筆者個人は、ベトナム航空の機内食がおいしいというイメージを持っていませんでした。もともとの期待値がそれほど高くなかったこともありますが、今回のベトナム航空の機内食は、予想を超えてくれたといえます。「すごくおいしい」というほどではありませんが、少なくとも、10年前に比べると明らかにクオリティが向上したような・・・

「もっと器にも工夫が欲しい」ということをお伝えしましたが、ベトナム航空エコノミークラスの機内食の器にも可愛らしいところがあります。それは、ベトナムの国花であり、ベトナム航空のシンボルになっているハスのマーク。これが、飲み物のカップや機内食の容器のフタにも使われているのです。ゆくゆくは、このハスがもっと目立つような垢ぬけたデザインになれば、機内食全体の印象が変わるのではないかと感じます。

それに加えて、せっかくベトナムのフラッグシップキャリアなので、もっとベトナムらしさ全開のメニューが登場するといいのではないでしょうか。経済成長著しく、観光客も増加中のベトナム。ベトナム航空の機内食にも、さらなる質の向上を期待したいところです。

※機内食のメニューは時期によって異なります。また、フライトスケジュールは今後変更される場合があります。

ベトナム航空

https://www.vietnamairlines.com/jp/ja/home

[All photos by Haruna]

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ダナンについては、『人気急上昇中!若者に大好評のベトナム・ダナンってどんな場所?』もぜひチェックを。

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