ある30代男性の死 いじめ受け引きこもり 「早期に受診すれば救えた命」

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 経済的な理由で医療機関の受診が遅れて病状が悪化し、手遅れになり死亡した人が、2018年に沖縄県内で2人確認されたことが県民主医療機関連合会(沖縄民医連)の調査で明らかになった。いずれも本島南部の、引きこもりの30代男性と1人暮らしの70代男性。いずれも地域から孤立して生活保護を受給せず受診を控えていた。同様な理由での死亡者は沖縄を含む26都道府県で計77人が確認された。

生活保護は受給せず

 県内の調査の対象は沖縄民医連加盟の9医療機関。12日に県庁で記者会見した沖縄民医連の座波政美会長らは「2人は氷山の一角で、全県ではさらにいるだろう」と述べた。

 30代男性は中学、高校でいじめを受けて引きこもるようになり、同居の母の年金と介護職の弟の収入を頼りに生活をしていたという。

 国民健康保険証はあったが医療費を心配し受診しなかった。呼吸苦などを感じた3週間後に歩行困難となり家族が救急要請。搬送先で壊死(えし)性筋膜炎と敗血症と診断され、搬送後20日で亡くなった。

無保険だった70代男性

 買い物中に救急搬送された70代男性は脳幹出血と診断され、搬送時は高度の意識障害があった。独居で民生委員が気に掛けてはいたが関与を拒んでいたという。親族や地域との交流もなかった。国保料と住民税を滞納し無保険だった。意識不明のまま搬送後5日で命を落とした。

 座波会長らは「早期に受診すれば救えた命。誰もが安心し医療機関を受診できるよう、国保料や窓口負担軽減など憲法25条に基づく権利としての社会保障実現を望む」と述べた。

 沖縄を含む全国調査は医療機関636カ所が対象。