「家計に不安」1年で倍増 熊本県内の被災者150人追跡調査

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県内最大規模のテクノ仮設団地=2019年4月3日、益城町(後藤仁孝)

 熊本日日新聞社は12日、熊本地震で住宅被害を受けた県内被災者150人を対象に定期的に現状などを聞き取っている追跡調査の結果をまとめた。家計・生活費といった金銭的な面で不安を感じている被災者がこの1年で倍増。自宅再建費用など生活環境の激変で強いられた予定外の多額の出費が震災3年を迎えた今、被災者の肩に重くのしかかっている状況がうかがえる。

 調査は2016年10月、17年4月、18年4月に続き4回目。今回は、22~88歳の125人(前回137人)から回答を得た。

 「現在や今後の生活に不安や不満があるか」と聞いたところ、「ある」は34%(42人)、「どちらかといえばある」は20%(25人)。合計54%で、1年前の前回調査と同じ割合だった。

 不安や不満を感じている内容を複数回答で尋ねると、最多は「住まい」の25%(31人)で、前回の31%(43人)より割合、人数とも減った。定住できる住まいの確保が一歩進んだためとみられる。

 一方、前回10%(14人)だった「家計・生活費」が2倍を超える23%(29人)に急増し、2番目に多くなった。理由としては、再建した住宅のローン返済額の増加や、子どもの教育に備えた貯金の減少などを挙げる人が目立った。

 玉名市の無職男性(68)は「収入は月3万円余りの年金のみ。貯金もなく、生活費は会社員の次男の収入に頼っている。次男名義の住宅ローンの返済や病気療養で出費がかさみ余裕がない」と窮状を訴えた。

 「立野(南阿蘇村)に家を残したまま、新たに中古の一戸建てを購入するので二重ローンになる。子どもの教育費や親の介護も不安」=大津町の看護師女性(54)、「ためていた教育資金の一部を自宅再建に充てたため、ローン返済と子どもの教育費が心配」=嘉島町、非常勤職員女性(51)=といった声もあった。

 不安や不満で3番目に多かったのは「仕事」の22%(27人)で、前回15%(20人)よりも増えた。

 西原村の建設業の男性(39)は「復興関連で公共工事が増えてはいるが、元請けから仕事がもらえるかどうか不安。会社を維持できるか」。南阿蘇村の会社役員の男性(59)は「経営する運送会社のトラックの台数を減らしたこともあり、売り上げが地震前に戻らない」とこぼした。

 不安や不満に「健康」を挙げた人は、18%(22人)で前回17%(23人)とほぼ変わらなかった。(熊本地震取材班)