あのアニメのネットスラングの元ネタってなんなの?「うまい、うますぎる!」編

アニメなどでキャラクターが美味しものを食べ「うまい」と言った際や、ごくまれに「風が~」とキャラクターが喋り始めた際にコメント書き込み機能がある動画サイトや、アニメの実況掲示板などでは「うまい、うますぎる!」と反射的に書き込む人がいるが、これは埼玉県にある株式会社十万石ふくさやが製造・販売する、十万石まんじゅうのCMのフレーズが元ネタになっている。

ちなみにこのCMが流れているのは、埼玉県のローカル局・埼玉テレビなのだが、おそらく地デジ化以前から関東圏でアニメを見ている人ならば、元ネタをアニメ視聴の際に何度もみかけていることだろう。というのもアナログ電波時代は、他県から埼玉テレビの電波を受信しやすかったからだ。

さらに、地デジ化以前の深夜アニメの放送が一般的になりだした頃は、現在のように関東ではTOKYO MXが圧倒的なアニメ放送本数を誇っておらず、埼玉テレビを含む、各関東圏のローカル局で盛んに深夜アニメを放送していた。そのおかげか、埼玉テレビでアニメを視聴する人も多く、よくスポンサー企業になっていた十万石まんじゅうのCMをみかける機会も多かった。

わずか15秒程度のCMだが、まんじゅうの画像とともに声優の野田圭一が「風が語り掛けます」「うまい、うますぎる!」と喋るフレーズがあまりにキャッチ―ということで、いつからか、CM中に書き込む人が続出し、ネット掲示板ではAA(アスキーアート)まで作られ知られるようになる。そして現在ではキャラクターが「うまい」と言っただけでも書き込む人が出るように。

ちなみに、この十万石饅頭の存在はアニメ業界でもよく知られているようで、2008年放送のアニメ『ヒャッコ』では、同商品をパロったネタが劇中に盛り込まれ、2010年に放送されたアニメ『真・恋姫†無双 ~乙女大乱~』では、同商品のパロディーである「十万斤まんじゅう」というまんじゅうまで登場。2015年に放送された短編アニメ『浦和の調ちゃん』では、第3話がほぼ同まんじゅうのPR回だったこともある。

最近では、実写映画『翔んで埼玉』とのコラボ十万石饅頭がニュースになっていた。もしかすると、今後さらに知名度があがるかもしれない?(斎藤雅道)

*画像 株式会社十万石ふくさや【公式】Twitterから
@jumangoku2

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