古野、値千金の一撃 ヴォル執念でB1へ前進

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 熊本は香川の粘りに苦しみながらも昨季に続き昇格プレーオフ(PO)への切符をつかんだ。81-81の最終クオーター残り1分14秒。古野拓巳主将が正面から勝ち越しの3点シュートを沈めると、満員のアリーナが大歓声に揺れた。「仲間が気持ちで後押ししてくれた」。1年前を再現するかのように土壇場で値千金の一撃を放った大黒柱はほえた。

 重い空気が漂い続けた。第1クオーターこそ前節の島根戦と同様に厳しい守備が機能して先行した。だが、第2クオーターは、攻守の切り替えを早くした香川への対応が遅れる。ターンオーバーから速攻を次々に許し、38-38と並ばれた。

 後半、柿内輝心の3点シュートなどで抜け出し第4クオーター開始早々に11点差までは良かった。ここからミスからリズムを失い暗転、競り合いに陥った。「守備の戻りが遅くなった」と古野主将。ミスから何度も自滅した敗戦パターンが脳裏をよぎる。

 だが、この日はPO進出や地区優勝を目前にして執念を見せた。「終盤で崩れても踏みとどまり勝ち切れたのは大きい」。重圧のかかる決戦をものにし、古野主将は手応えを口にする。

 ただ、ワイルドカードのままだと、PO初戦で今季B2最高勝率で中地区を制した信州と敵地での戦いを強いられる。「きょうは通過点にすぎない。地区で優勝し、ホームでのプレーオフの開催権をつかみ、熊本で昇格を祝う」。保田尭之ヘッドコーチ(HC)は初の頂点に近づく14日のホーム最終戦だけでなく、B1へとつながる先を見据えた。(坂本尚志)

(2019年4月14日付 熊本日日新聞朝刊掲載)