沢村一樹「隣に荒川良々がいないとダメなんです(笑)」 アガサ・クリスティ「予告殺人」で相国寺竜也復活!

沢村一樹「隣に荒川良々がいないとダメなんです(笑)」 アガサ・クリスティ「予告殺人」で相国寺竜也復活!

これまで「そして誰もいなくなった」、「パディントン発4時50分」や「大女優殺人事件~鏡は横にひび割れて」と3本のアガサ・クリスティ作品を放送してきたテレビ朝日。皆さんお待ちかねの2019年春におくる第4弾は、ファンからの支持も根強い「予告殺人」をお届けします! “マープル・シリーズ”の中では、クリスティ・ファンクラブが選ぶ人気作品でトップに輝くほどの人気を誇る同作。そして、この“予告された殺人”の謎に挑むのは、今回が同局のアガサ・クリスティ作品では「そして誰もいなくなった」、「大女優殺人事件~」以来3度目の出演となる、沢村一樹さんです。今回インターネットTVガイドは、主演・相国寺竜也を演じる沢村さんへ直撃インタビューを敢行。ドラマの裏の裏から、数多くの刑事役を演じてきた沢村さんだからこそ語れるお話をたくさんお伺いいたしました。

──今回また相国寺役を演じられていかがでしょうか?

「相国寺というキャラクターはちょっと変わった刑事なんですよ。僕の勝手な印象なんですけれども、普段日常的に起こっている事件ではなく、『なんだこの事件!?』という事件が起きた際に出動する刑事なのかなと思っていて。なので、また『事件が起きたのか!』という感じです」

──今回3回目ということですが、徐々に慣れなどは出てきましたか?

「慣れではないですが、この役を演じる時に、隣に(多々良伴平役の)荒川良々がいないとダメなんですよ(笑)。それを今回は特に感じました」

──それはどういったところで感じましたか?

「1人で立って事件を解決するよりも、彼が隣に立っているだけで違うんですよ。2人でうまくかみ合っていない感じだったり、横でキョトンとする顔があるからこそ『こういうことが言えるんだ!』という感覚であったりだとか。2人セットで視聴者の方に伝えようという感じです。僕1人が事件を解いているんじゃなくて、『今、相国寺さん核心に迫ってるよ!』という顔をしてくれたりして(笑)」

──では、あらためて相国寺という役柄について感じられたことをお聞かせください。

「相国寺は着眼点がスーパーなんです。ちょっとしたトリックを暴くのも普通の刑事とは違った視点で見つけるなど、実際の自分ではできないような捜査をする刑事ですね」

──沢村さんはこれまでも「刑事ゼロ」や「未解決の女」など、さまざまな刑事役を演じてこられました。相国寺はそれら刑事とどこが違うと思いますか?

「相国寺は人の感情面に触れて捜査をするというのではなく、もっと物理的、理詰めの刑事なのかなと思っていて。いわゆる人情派とは違うんですが、機械みたいにもなりたくないので、犯罪に対する怒りや悲しみは常に感じながらも、表現で他の刑事と差別化をしています。あと相国寺は“離れに住んでいる刑事”というか。相国寺じゃないと解けない事件があると思っていて、『この事件ちょっと無理じゃない? 相国寺さん呼ぶ? 相国寺さん! 事件です!』と呼ばれて出動する奥の手なイメージですね(笑)』

──逆に共通しているものはありますか?

「やはり犯罪に対する怒りみたいなものは共通していると思います。なんでこんなことが起きてしまったんだろう、それを未解決にしない、解きたいというモチベーションは常に持って演じています。『熱すぎるよ!』と思われてもいいぐらいの熱量は持つつもりで。相国寺も淡々としているようで、奥の奥には熱い思いがある刑事なんです」

──沢村さんと相国寺に共通している部分を教えてください。

「空気の読めなさ、読まなさは似ているんじゃないですかね(笑)。これが第一優先と決まっている場合は『もういい空気なんか読まなくて!』という感じになることがあるので、そういったところは似ているんじゃないでしょうか」

──では、これまで演じられた刑事役の中で、一番沢村さんに近い刑事はどなたでしょう?

「僕が意識しているということではないのですが、どこかに流れているものは一緒で、そこにキャラクターが乗っかっているような気がします。相国寺と『刑事ゼロ』の時矢(歴彦)は全く違うキャラクターなのですが、やっぱり僕なんですよね」

──今回新たに見えた相国寺像はありましたか?

「多々良伴平が横にいないと困るなって(笑)。大事な存在でしたね」

──今回は大地真央さんなど豪華な面々との共演も実現しました。

「大地さんとは初共演だったんです。去年は黒木瞳さんで、お二人ともたまたま宝塚(歌劇団)ご出身だからなのか、お屋敷が似合うんですよね(笑)。ドレスを着た時の見せ方や、階段の降り方など、染み付いているんだろうなと思いました」

──和泉聖治監督についてもお聞かせください。

「和泉さんはもう4回もお仕事をご一緒させていただいて。率直に楽しいです。和泉さん長回しするんですよ(笑)。ワンシーンをワンカットでやりますし、5、6ページをワンカットとかも普通にあることなので、いい緊張感の中で撮影させていただいています。終わった時の達成感や喜びはいつも楽しみにしていますね。あと時々、突拍子もないことを言ってくるんです(笑)。思っていたことと違っても、やってみたら面白かったなってことが結構多くて。一緒にお仕事をさせていただいていて本当に楽しい監督さんです」

──数々の刑事役を演じてきた沢村さんだからこそ分かる“刑事ドラマあるある”はあるのでしょうか?(笑)。

「物の持ち方ですよね。抜きが取りやすいとか、引き絵で撮っていてもケータイは画面が見えるように持つとか…」

──そこまで細かい配慮があると私生活に響くこともありそうですね…。

「実際あるかもしれないです(笑)。例えばペットボトルを持つ際も知らず知らずのうちにラベルが見えるように持っていたり、紙コップの継ぎ目がカメラ側に見えないようにしたり。あとは日常的にその役を演じていると座り方や歩き方も無意識に変わってきます。以前はすごく猫背になっていたり、またある時は内股になっていたり。本当に無意識なんですけど、相国寺を演じている時は姿勢がいいんです」

──それだけ役に入り込んでいるということですね。

「どうしても常に台本が頭の片隅にはあるので、どこかで意識してしまっているのかもしれません。キャストやスタッフの皆さんと食事に行ってもやはり同じ作品を作っているメンバーだから、無意識に考えてしまっているんですかね」

──今回の「予告殺人」の現場での撮影秘話があれば教えてください。

「台本を読んでいて、『このシーンどうやって撮るんだろう?』というシーンがあったんですよね。そう思いながら実際の撮影を見ていると、結構アナログで撮っていて。かなり大変そうでしたが、そこはかなりの見応えになるのではないかと。詳しくはオンエアをご覧いただきたいのですが、すぐにどのシーンのことか分かると思います。アナログならではの迫力で、体を張らないとできないようなシーンなので、ぜひご覧いただきたいです!」

──最後にドラマの見どころをお願いします!

「アガサ・クリスティ作品は古典ミステリーで、今ミステリードラマの脚本を書かれている方々は、皆さん一度は通っている作品だと思うのですが、それを“あえてこの時代にやる”という“試み”みたいなところは、皆さんに感じていただきたいです。また、大地さんが本当にこの世界観にぴったりというか。芸能界の中でも大地さんってすごく独特で、そこに立っているだけで世界がパッと生まれてくるんです。その周りに人々が集まって、翻弄(ほんろう)されて、事件が起きて。それとアガサ・クリスティの原作が上手にリンクしているので、日常に起きた事件ではなく、特別な、変わった人たちの世界で起きた事件という謎めいた世界観や、ミステリーをどっぷりと感じてほしい作品になっています。僕と荒川良々も謎めいてますからね(笑)。なんだこの2人という全然違う世界観、コンビなのにちぐはぐな息の合わなさなども楽しんでいただき、おどろおどろしいものを感じてもらえたらうれしいです!」

──ありがとうございました!

【プロフィール】


沢村一樹(さわむら いっき)
1967年7月10日生まれ。鹿児島県出身。ファッションモデルとして活動を始め、96年にドラマ「松田のドラマ」(日本テレビほか)で俳優デビュー。以来「ショムニ」シリーズ(2000~03年/フジテレビ系)や、「浅見光彦~最終章~」(09年/TBS系)、「絶対零度~未然犯罪潜入捜査」(18年/フジテレビ系)など多数の作品に出演している。テレビ朝日系では「DOCTORS~最強の名医~」シリーズ(11~2018年)、「未解決の女」(18年)や、「刑事ゼロ」(19年)などに出演。4月から始まる「白衣の戦士!」(日本テレビ系)では初の看護師役に挑戦している。

【番組情報】


ドラマスペシャル アガサ・クリスティ「予告殺人」
テレビ朝日系
4月14日 午後9:00~11:05

テレビ朝日担当 I・S

© 株式会社東京ニュース通信社