スーパーGT第1戦300クラス:クラッシュ多発の岡山でK-tunes新田が一閃。ARTA高木を交わして最多勝更新

 2019年のスーパーGT第1戦は4月14日、岡山国際サーキットで決勝レースが行われたものの、荒天により32周目走行中に赤旗終了。スーパーGT GT300クラスはK-tunes RC F GT3が優勝し、新田守男が自身の持つGT300通算勝利数を21とし、単独トップにおどり出た。

 前日の予選は、ルーキーの福住仁嶺がアタックを担当したARTA NSX GT3を筆頭に、K-tunes RC F GT3、埼玉トヨペットGB マークX MC、LEON PYRAMID AMGと、ブリヂストンタイヤユーザーがトップ4を独占する結果となった。

 一夜明けた決勝日は、午前中に雨が降り出しウエットコンディション。併催レースは降雨のなか争われたものの、午後に入ると小康状態に。ただ路面は依然としてウエットのため、レースはセーフティカースタートとなった。

■雨に翻弄されクラッシュ続発。レースは約45分の赤旗中断で幕開け

 決勝レースは気温12度、路面温度14度、湿度77%というコンディションでスタート。セーフティカー先導中の2周目には30号車TOYOTA GR SPORTS PRIUS PHV apr GTがピットへ向かい、早くもラップダウンとなってしまった。

 セーフティカーランは3周目終わりで終了し、4周目から2019年シーズンのバトルがスタート。まず1コーナーではARTA NSX GT3のイン側を狙って2番手スタートのK-tunes RC F GT3が並びかけていく。

 ここでは先行するARTAの高木真一がポジションを守ったものの、K-tunes RC Fの新田守男も食らいついて離れず、続くウイリアムズ~モスS~アトウッドでもテール・トゥ・ノーズのバトルを展開。ほぼ横並びでバックストレートを立ち上がっていった。

1コーナーでクラッシュしたHOPPY 86 MC

 しかし、このスタート時に4番手だったHOPPY 86 MCが1コーナーでスピン。ADVICS マッハ車検 MC86に接触しながら、イン側のコンクリートウォールにヒットしてストップしたため、ふたたびセーフティカーが導入された。

 接触されたADVICS マッハ車検 MC86はグラベル上でマシンを止め、一度は走行を再開したものの、ピットへたどり着けず、ふたたびマシンを止めている。

トップ争いを演じたK-tunes RC F GT3とARTA NSX GT3

 車両の回収などを終え、レースは11周目に再開。このリスタートでもARTAの高木とK-tunesの新田はサイド・バイ・サイドのバトルを展開。そして12周目、2コーナーのウイリアムズで立ち上がりが鈍ったARTA NSX GT3のインを突いて立ち上がったK-tunes RC Fがオーバーテイク。クラス首位におどり出た。

 すると直後、高速セクションのモスSで多重クラッシュが発生してしまう。まずはGAINER TANAX triple a GT-Rがウイリアムズコーナー立ち上がりでラインが膨らみ、縁石に乗ってしまい、失速。この隙にModulo KENWOOD NSX GT3がオーバーテイクしていく。

 そして、これに続こうとインからマネパ ランボルギーニ GT3も交わそうとしたところ、GAINER TANAX triple a GT-Rと接触。体勢を崩したGAINER TANAX triple a GT-RがモスSひとつめのスポンジバリアへ激突してしまった。

 クラッシュしたGAINER TANAX triple a GT-R激突の反動でコース上に戻ってきてしまい、ちょうどアクシデントが起きた横を通過していたD’station Vantage GT3と衝突。

 そして、この一連のクラッシュを避けようとモスSでレコードラインを外したエヴァRT初号機 X Works GT-Rがランオフに飛び出ると、モスSふたつめでアウト側のスポンジバリアに激突。この区間で計3台のマシンがクラッシュするアクシデントに発展してしまった。

 衝撃で弾け飛んだパーツやスポンジバリアがコース上に散乱しこと、そしてドライバー救出、マシン回収のために、ふたたびセーフティカーが導入されると、翌14周目には赤旗でレース中断となった。

 車両回収やバリアの補修などを経て、赤旗掲示から45分が経過した15時45分に15周目からレース再開。この間も雨が降り続いたため、コースには水たまりも多くあることから、セーフティカー先導のもと、各車ゆっくりと周回を重ねていく。

 レースは20周目に再開されると、ここではK-tunesの新田がポジションをキープ。ARTA NSX GT3、埼玉トヨペットGB マークX MC、リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rと続いていく。しかし、直後にはアトウッドでリアライズGT-RとGAINER TANAX GT-Rが交錯してしまい、その間を縫って後方のSUBARU BRZ R&D SPORTが4番手に浮上した。

モスSでクラッシュしたARNAGE AMG GT3

 そして、24周目にはGT500クラスのRAYBRIG NSX-GTが1コーナーでコースオフしてグラベル上にストップしたため、このひ4回目のセーフティカーが導入される。さらに、このタイミングで雨脚も強まると、セーフティカーラン中にモスSで今度はARNAGE AMG GT3がクラッシュするアクシデントも起きた。

 マシンの回収とスポンジバリアの再設置などが終わった後、雨脚が強まってきたためセーフティカーランが続けられていたが、16時27分ごろ、この日2度目の赤旗が掲示され、レースは再度中断となる。

 その後、16時45分に緊急の監督ミーティングが行われた上で、レースの赤旗中止が決定され、GT300クラスはK-tunes RC Fがトップ、2位にARTA NSX GT3、3位に埼玉トヨペットGB マークXという結果となった。

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