障害ある子 親なきあとは? 手をつなぐ育成会 支援制度や心構え紹介

障害のある子の親なき後の準備について学んだ研修会=長崎市、もりまちハートセンター

 障害のある子どもの親が子どもの世話をできなくなった後に必要な支援制度や準備の仕方を学ぶ長崎市手をつなぐ育成会(谷美絵理事長)の研修会が13日、長崎市内であり、会員約100人が遺言や信託、後見制度、各種サービスについて学んだ。

 世田谷区手をつなぐ親の会会長で行政書士・社会保険労務士の渡部伸さんが講師を務めた。障害のある子どもを育てながら、制度やサービスを組み合わせることで子どもが少しでも安心して暮らせるようにと「親なきあと」相談室を主宰している。

 渡部さんは、親が世話をできなくなったり亡くなったりした後の課題として(1)お金(生活費)(2)生活の場の確保(3)日常生活の支援-を挙げた。お金の準備については「多く残すことより、本人のために使われる仕組みが大切」とし、相続でトラブルにならないよう家族で事前に話して遺言や信託を活用するよう提言した。

 金銭管理や生活支援については、成年後見制度と日常生活自立支援事業の活用をアドバイスした。渡部さんは「この10年間で使える制度やサービスが増えた。ただ、制度は大事だが、使うのは人。使ってくれる人がいないといけない。地域の人とつながって子どものことを話せる人を見つけておいてほしい」と呼び掛けた。

 


© 株式会社長崎新聞社