■今月の人■
株式会社サン機工 常務取締役 株式会社サン機工膳所 代表取締役
田中 真 さん
ものづくりの現場で、そしてバンドでも「縁の下の力持ち」。
音楽のワクワク感が活力となり、次に踏み出す力になっていく
もともとノンバンクで不動産融資の仕事をしていたという田中さん。ところがバブル崩壊で業績が悪化。13年勤めた会社を辞め実家のある大津に戻ってきました。そこで声をかけられ、畑違いの今の会社に飛び込みました。
サン機工は京都市でネジの2次加工会社として1955年に創業。1970年代に湖南市に新工場を開設し土木用掘削工具の製造を始めました。鉄道や高速道路のトンネルの掘削工事に使われる「シールドマシン」の先端に取り付ける刃先「カッタービット」の製造で国内屈指の技術力を誇っています。
全く異業種の会社に入った当時のことを田中さんは「育ってきた企業文化が違ったので驚くことがたくさんありました」と振り返ります。「でも面白かった
ですね。経理、総務から人事まですべて任され、いろんな勉強ができました」。最近は「ものづくりの現場で働きたい」と4年連続で高卒の若者が入社。2年前には高卒女子の社員も加わり、若い活気があふれています。
そんな田中さんのもう一つの「顔」はドラマー。中学3年でベースを始め、高校に入ると友達とバンドを結成。ギター、ベースがすでにいたのでドラムを担当することになり、以来バンド仲間でライブハウスを中心に演奏活動をしてきました。「ドラムは位置づけとしては縁の下の力持ちですね」。ジャンルはハードロック。オリジナル曲も作るなど活動は本格的で、ヤマハのポプコン※は本選まで行ったとか。プロへの道を夢見たこともありましたが、「バンドはみんなが同じ思いでないと先には進めない」と断念。就職後はバンド活動からは遠ざかっていましたが同友会のメンバーに声をかけられたことをきっかけにTITIO(ティティオ)というバンドに参加、経営研究集会で演奏を披露しました。「皆さん、私がドラムを叩くなんて、とびっくりされていましたね。今後はピアノかギターをやりたいですね。メロディー楽器をやってこなかったので」。好きな音楽を聴くと落ち着くだけでなく、ワクワクして活力がわいてくるという田中さん。仕事では五輪とリニア新幹線という大きなチャンスを控えています。
次に踏み出す力、そこには、オフタイムでのドラマーとしてのもう一つの顔も大きな支えとなっているのではないでしょうか。
株式会社 サン機工
取材:2017年3月