シチズン、エシカルウォッチで消費者とつながる試み

「シチズン エル」の「New TiMe, New Me」キャンペーン限定モデル

シチズン時計は、時計を通じて社会課題に取り組むソーシャルキャンペーン「New TiMe, New Me」をスタートした。同キャンペーンでは、紛争鉱物を使わずに製造したエシカルウォッチ「シチズン エル」などを通じて、暮らしのなかの消費や選択とSDGs(持続可能な開発目標)のつながりを多くの消費者に呼びかける。皮切りに4月12、13日には都内で限定イベントを開催。エシカルウォッチの浸透に弾みをつける考えだ。(オルタナ編集部=堀理雄)

シチズン エルは、材料の主要成分と含有量を公開し、紛争地域で採掘された紛争鉱物を使用しない「コンフリクトフリー」で製造。また時計1個の調達から生産、廃棄までのCO2排出量を表示するなど、サステナビリティに配慮したエシカルウォッチだ。

2016年に発売が開始したシチズン エルは、近年中価格帯のレディス時計市場が減少傾向にあるなかで売り上げも順調に推移。30代以降の女性がメインの購買層だが、近年特に若い層へのブランドの浸透に手応えを感じているという。

同社の担当責任者は、「発売当初は特定の層からの反応だったが、2018年頃から若い層を中心に共感が広がってきた」と話す。「エシカルなものづくりが最終的に購入を決める後押しになった」といった直接的な声がSNSなどにも寄せられているとのことだ。

社外と同時に社内にも変化があるという。シチズン エルの宣伝を手掛ける担当者は「2016年の発売当初に比べて大きく変わった」と話す。「特に昨年後半ごろから社内でのSDGsへの関心が高まり、エシカルについての社内セミナーなども増えている」という。

2日間の限定イベントでは、環境や人権に配慮した時計の試着のほか、ワークショップやトークセッションも行われる。詳しくはNew TiMe, New Meサイトで

キャンペーンでは、売り上げの一部を国際NGOプラン・インターナショナルに寄付し、途上国の女性を支援する「シチズン クロスシー」も紹介する。2日間のイベントでは、両シリーズの最新モデルの試着のほか、ワークショップの開催、メンテナンスサービスなどを行う。

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