坂本勇人、青木宣親、今宮健太… バントしない“2番強打者”論がNPBでも?

ヤクルト・青木宣親(左)と巨人・坂本勇人【写真:荒川祐史、Getty Images】

巨人坂本、燕青木は2番強打者の代表格

 プロ野球は各球団が開幕から5球団との対戦を一巡。覇権をかけた戦いぶりが徐々に見えつつある。今季各球団で際立つのが「2番打者」に求められる役割の変化だ。かつては犠打で送る打者の役どころだったが、今季は一発長打のある強打者が起用されるのがトレンドとなりつつあるようだ。

 セ・リーグで代表されるのは巨人の坂本勇人、ヤクルト・青木宣親だろう。長く1、3番で起用されることが多かった坂本は広島からFAで丸佳浩が加わったこともあり、開幕から2番で固定。リーグトップの打率.404、4本塁打、8打点と上々のスタートを切っている。ヤクルトの青木宣親も先発出場した14試合はいずれも2番スタメン。リーグ6位の打率.351、3本塁打、7打点をマークし、12球団トップ85得点の強力打線を引っ張っている。坂本、青木はそれぞれ犠打1つを決めているが、2人に求められるのは犠打や走者を送る打撃ではなく、勝負強い強打者として役割だろう。

 2位のDeNAは楠本泰史が6試合、昨季本塁打王のソトが4試合で2番先発しているが、どちらも0犠打。中日は京田陽太が8試合で2番先発して2犠打。広島で全試合2番スタメンの菊池涼介は3犠打を決めているが、バントで送るだけでなくエンドランなど強打にも対応できる打撃スタイルだ。中日は京田陽太が8試合で2番先発して2犠打。阪神は糸原健斗、ドラフト1位の近本光司がそれぞれ7試合2番スタメン。糸原は0犠打、近本は2犠打となっている。

13、14、15、17年の“犠打王”のホークス今宮は今季ここまで0犠打

 パ・リーグではソフトバンク今宮健太が開幕から全15試合で2番スタメン。リーグ6位の打率.308、リーグ3位タイの5本塁打をマーク。13、14年にパ・リーグ記録の62犠打を決めたが、今季はここまで0犠打だ。西武は源田壮亮が13試合で2番に座り、打率.288をマーク。今季0犠打の源田が故障でスタメンを外れた14日は秋山翔吾が2番に入った。

 日本ハムは大田泰示が13試合で2番先発し、打率.250、1本塁打。ここまで犠打はなく、オープン戦で12球団トップ5本塁打を放った長打力が持ち味だ。楽天は茂木栄五郎が全14試合で2番スタメンし、リーグ10位の打率.291、1犠打。ロッテは加藤翔平が13試合で2番先発し、打率.281、0犠打となっている。オリックスは西浦颯大が12試合で2番スタメンし、1犠打のみだ。

 MLBではエンゼルス・トラウト、ヤンキース・ジャッジに代表されるように最強打者を2番に置くチームは多い。NPBではDeNAの筒香嘉智、広島の鈴木誠也が4番に座るように2番最強打者とまではいかないが、簡単にバントで送らずに一発長打のある好打者を起用するケースが増えてきたと言える。

 全143試合の長丁場のペナントレース。送りバントをしない各球団の2番打者がどのような打撃を見せ、チームを勝利に導くのだろうか。(Full-Count編集部)

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