「揺れ」は今も

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 文字を打ち込む指は震えているに違いない。そう思ったのを覚えている。長崎でグラッときて、その少し後、「大揺れだよ。まだ余震続いてる」。3年前の4月14日夜、熊本市内の旧友から届いたメールは緊迫していた▲余震は収まらず、次の日も「安心できない」と知らせてきたが、震度7の「本震」はその後、16日未明にあった。友人は身辺こそ無事だったが落ち着いていられず、後に何度かボランティア活動に参加した▲熊本地震の“被災地レポート”のメールがよく届き、おととしの報告にはこうある。「ほんと、仮設って近くで見ると小さくて。自力で家を再建できる人は一部だろうな」。仮住まいから抜け出せない人が大勢いる、と▲今もって、仮設住宅や、民間の賃貸物件を自治体が借り上げる「みなし仮設」に1万6千人余りが暮らす。その解消にどうやらめどが立たないらしい▲自宅を再建したくても、建設業の人手不足で順番待ちが続いている。地震後の公共工事や、東京五輪に向けた整備に人が取られているという▲長崎県に暮らす私たちは雲仙・普賢岳災害で知った。仮住まいが長引けば、健康不安と先々への不安と、復興から取り残されるような思いと、ともども膨らんでいくのだと。何とか打つ手を。安心できない“揺れ”が今も熊本で続く。(徹)