熊本市中心市街地の魅力向上へ 被災ビル再建、進む新陳代謝

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来春以降の開店を目指して再建工事が進む「紅蘭亭下通店」=熊本市中央区

 熊本地震から3年。熊本市の中心商店街では被災したビルの再建が急ピッチで進む一方、桜町再開発ビルの商業施設開業まで約5カ月となるなど、一帯の魅力向上に向けた動きが本格化している。

 「街に根付いた地元の料理店として地域の人々や観光客らの交流の場にするとともに、熊本や九州ならではの食文化を発信していきたい」。下通アーケード内の店舗が熊本地震で大規模半壊した中華料理店「紅蘭亭[こうらんてい]」グループの葉山耕司専務(57)は話した。

 再建工事中の店舗ビルは地下1階、地上7階建て。現在、地下の基礎工事を終え、鉄骨を組み始めている状況といい、来春以降の開店を目指す。

 上通、下通、新市街の各商店街組合への聞き取りによると、これまでにアーケード内にある店舗ビルのうち、メガネの大宝堂とソフィ・タカヤナギの共同ビルなど、約10棟が建て替えを完了(一部は継続中)した。

 中にはうどん店「ふく泉」新市街店のように、店舗建て替えとともに新たな資本の下で再スタートを切った店もある。

 地震からの復旧復興の動きとともに、中心市街地の新たな“顔”づくりも進む。2017年4月に下通アーケードにオープンした複合商業ビル「COCOSA」に続き、桜町再開発ビルの商業施設「SAKURAMACHI Kumamoto」が今年9月にオープンする。

 セレクトショップなど約150店が出店予定で、開発を進める九州産業交通ホールディングスによると、これまでに9割超の入居店舗が確定。現在、開業とともに“前線”に立つ今春入社組の15人程度が研修を続けるなど、開業準備を進めている。

 入居するビルの老朽化などを理由に、新業態の商業施設の模索を始めたのは下通アーケード入り口で33年営業を続けてきた熊本パルコ。来年2月末でいったん営業を終了し、ビル建て替え後に再出店すると表明しており、同社は「現在、ビル所有者と一緒に検討を重ねている」と話す。

 地方経済総合研究所(同市)の宮野英樹・事業連携部長(44)は地震後、街の“新陳代謝”とも言える動きが加速する中、「多様なライフスタイルに対応できるよう、各店舗が独自色を強化することが街全体の魅力向上につながる」と指摘している。(山本文子)

(2019年4月16日付 熊本日日新聞朝刊掲載)