南海トラフ地震「半割れ」対応で県説明【大分県】

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南海トラフ巨大地震の「半割れ」時の対応について、県の説明を聞く自治体や企業の担当者ら=16日、大分市のJCOMホルトホール大分

 南海トラフ巨大地震に備え、県は16日、県内の市町村や企業・団体を対象に、異常現象が観測された際の防災対応に関する初の説明会を大分市内で開いた。政府は3月、東西に長い震源域の片側で地震が発生する「半割れ」ケースで、まだ被害が及んでいない残り半分側の沿岸住民に事前避難を促すなどの指針を公表している。出席者からは「どう動けばいいのか」と戸惑いの声も聞かれた。

 南海トラフの地震は今後30年以内に70~80%の確率で起き、未曽有の広域災害になると見込まれている。

 政府の指針では、震源域の片側でマグニチュード(M)8以上の地震が起きる「半割れ」の場合、気象庁は「臨時情報」を発表。残り半分側も後発地震への厳重な警戒が必要として、国が津波到達の可能性が高い地域に対して1週間の避難を呼び掛ける。今後、各自治体が事前避難の対象地域を選定するなど、防災計画の整備を進める見込みだ。

 この日は約130人が出席。県防災局の職員らが指針内容を説明した。

 沿岸部の自治体からは「対応が難しい」との声が相次いだ。最大13メートル超の津波高が想定される佐伯市の防災担当者は「既存の避難計画は地震発生後を想定している。今回は一からの取り組みになる」と硬い表情。

 災害が起きていない段階でどれだけの住民が避難所に足を運ぶのか、1週間の食料などをどう確保するかも課題だ。「住民や関係団体と早急に話し合いをしなければ」と話した。

 政府は事前避難を促す目安として「高さ30センチの津波が30分以内に到達する地域」との基準を示している。ただ、従来の県の調査で到達時間を予測している津波の高さは1メートル。30センチの予測データはなく、大分市は「県の方針を見て対応を検討したい」という。

 企業も備えを迫られる。コープおおいた(大分市)の山村克己常務理事は「(後発の)地震がいつ起きるか、事業にどんな影響があるか分からない。現在の業務継続計画は見直すことになるだろう」と語った。

 県防災対策企画課は「避難所の収容人数に限りがあるなど、課題は多い。各市町村などと個別に話し合いを進め、県としての対応方針を決めたい」と話している。