三菱重工 クルーズ船修繕拠点 長崎港で事業化検討

 長崎港のクルーズ船修繕拠点化を探る意見交換会が16日、東京都内であり、三菱重工業が長崎造船所で事業化に乗り出す姿勢を示した。同社によると、アジアで修繕拠点はシンガポールだけで、実現できれば長崎県基幹産業の造船業の活性化につながりそうだ。
 意見交換会は同社と国土交通省が共催し、港湾管理者の県のほか長崎市が参加。冒頭を除き非公開で、クルーズ会社2社に長崎港の利点を説明した。
 同社によると、長崎造船所では最大22万5千トン級の船まで修繕が可能で、長崎港にたびたび寄港している10万トンクラスのクルーズ船も十分に対応可能。意見交換で同社は、クルーズ船の誘致と連携でき、地元経済の活性化に寄与できることなどを説明したという。県市もクルーズ船の寄港の多さや観光面の潜在的な力の高さなどをアピールした。
 出席者によると、クルーズ会社は「持ち帰って検討する。コスト面で判断していきたい」との見解を示したという。出席した県の岩見洋一土木部長は「修繕事業の拠点化が実現すれば雇用の拡大につながる」と期待した。
 クルーズ船の修繕は一般的に、2年に1回程度の塗装や機器のメンテナンスは数億円、5~10年単位の大規模改造の場合は数十億円から100億円規模という。

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