ヤマザクラの里守ろう 桜川でシンポ

保全活用へ意見交換

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意見を交わすパネルディスカッションの登壇者たち=桜川市羽田

「第1回さくらがわ山桜シンポジウム」(桜川市主催)が12日、同市羽田の大和ふれあいセンターシトラスで開かれ、住民や関係者ら約160人が参加した。2月に策定された「市ヤマザクラ保全活用計画」が報告されたほか、有識者による講演やパネルディスカッションが繰り広げられた。

同計画は、日本を代表する桜の専門家やヤマザクラや里山と深く関わる住民らが委員会を組織し策定。「名勝・天然記念物のサクラの保全」「里山の保全」「人材の育成」を3つの柱に据え、10年後の将来像を目標に計画を実行していく。

同計画の策定委員長を務めた、櫻(さくら)川磯部稲村神社宮司の磯部亮氏は「桜を大事にすることが桜川市を守っていくこと、市民の幸せにつながるのではないか。日本に誇れるヤマザクラの里を大切に守っていければ」と力を込めた。

講演とパネルディスカッションを通じ、ヤマザクラや里山に関わる多様な分野から7人の有識者が登壇。森林総合研究所多摩森林科学園サクラ保全担当チーム長の勝木俊雄氏は、国の名勝・天然記念物に指定されている同神社の参道や磯部桜川公園の桜について「野生種のヤマザクラとカスミザクラ、その2つの雑種が非常に多くあるのが特徴。周囲の里山から公園に移して植えたものと思われる。先人たちが持ってきたものが参道に残っている。文化財に値する貴重な桜をきちんと手入れをして後世に引き継いでほしい」と述べた。一方で、「ヤマザクラと(野生種ではない)ソメイヨシノの雑種が見られる。これらは名勝・天然記念物の対象ではなく、文化財的に取り扱いを検討していく必要がある」と指摘。今後は「正確な同定と確実な記録。植栽や雑種など地域外由来の桜をどうしていくかよく考えるべき。優良個体の選抜と増殖も必要ではないか」と述べた。 (平野有紀)