長崎大や活水女子大など 大学7校22人 観光まちづくり始動

長崎市の観光関連施策についての説明を聞く学生=長崎青年会議所会議室

 長崎県内外の大学生が年間を通じて長崎市の観光まちづくりを考え、街の魅力向上や観光消費拡大に結び付くプロジェクトの企画・実践を目指す活動が15日、始動した。観光まちづくりの司令塔となる「市版DMO(観光地域づくり推進法人)」として活動する長崎国際観光コンベンション協会などが運営。学生が主体的に活動する場をつくることで長崎への愛着を醸成し、将来のまちづくりの担い手育成にもつなげる。
 運営するのは同協会のほか、市や長崎大、長崎青年会議所。学生は、長崎大や活水女子大、長崎純心大、九州大など七つの大学から書類と面接による審査を通過した22人が参加する。毎月2回程度集まり、ビッグデータに詳しい長崎大の教授や現役の観光ガイドらの講座を受けたり、長崎帆船まつりなどのイベントに参加したりするほか、海外先進地として香港も視察。秋ごろから五つのグループに分かれ、それぞれのプロジェクトに取り組む。
 15日夜には長崎市魚の町の長崎青年会議所会議室で初回講座があった。市文化観光部の股張一男部長が市の観光施策を解説。観光客数は順調に増えている一方、宿泊客や観光消費額は目標に達していないとして、「宿泊客や外国人客の取り込みを一つのポイントに、街が潤うような企画を考えてほしい」と呼び掛けた。
 沖縄県出身で長崎大多文化社会学部3年の仲宗根理希さん(20)は「長崎は歴史や人の温かさといった魅力がある。自分の感じてきた魅力を外に発信したい」と意欲。長崎市出身で同大経済学部4年の林田裕美子さん(21)は「観光に興味がある他の大学の学生と意見を交わせることが楽しみ。長崎がもっと人の集まる街になるよう、みんなで考えたい」と話した。

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