日米の「鐘」そろう 平和の音色 高らかに

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佐世保南ロータリークラブが寄贈した鐘を鳴らす中島会長(左)と保存会の橋川会長=佐世保市城間町

 長崎県佐世保市城間町に現存する地下防空壕(ごう)「無窮洞(むきゅうどう)」に、佐世保南ロータリークラブ(中島洋三会長)が記念の鐘を寄贈した。入り口には、米海軍佐世保基地司令官が贈った鐘が設置されており、日米の「平和の鐘」がそろった形。関係者は、後世に残すべき戦争遺構としてさらに周知を図る。
 無窮洞は旧宮村国民学校の防空壕として、1943年から終戦まで2年間掘り続けられた。作業は高等部(中学)の生徒らが担った。最も広い主洞は幅5メートル、奥行き19メートル、高さ6メートル。「地下教室」として教壇も設けた。授業で使われることはなかったが、避難場所として何度か利用された。
 現在、地元住民でつくる「無窮洞顕彰保存会」(10人)が管理を担い、交代でガイドを務めている。県外の修学旅行生ら年間約4万5千人が訪れているが、地元での認知度はあまり高くないという。
 5年ほど前、当時の米海軍佐世保基地司令官だったチャールズ・ロック氏が保存会に鐘を贈り、入り口に設置していた。佐世保南ロータリークラブは、地域貢献活動の一環として「日米で平和を願おう」と寄贈を決定。鐘は二つ並べて飾っている。
 12日は現地で贈呈式があり、中島会長は「子どもたちが目と心で学ぶ場所として、多くの人に訪れてほしい」とあいさつ。保存会の橋川達郎会長は「立派な鐘をいただいた。平和の日々が続くよう、訪れた人に鳴らしてもらいたい」と語った。