備前の名刀 伝統と美 古河歴史博物館で企画展 5月6日まで 長船派中心に25点

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武器と美術品との機能を兼ね備えた歴代の名刀が並ぶ「備前刀の伝統」展=古河市中央町の古河歴史博物館

備前国(びぜんのくに)(岡山県東南部)の刀工の技術を受け継ぐ日本刀を展示した企画展「備前刀の伝統」が、古河市中央町3丁目の古河歴史博物館で開かれている。中世から現代までの名刀25点が一堂に並び、訪れた多くの来場者が“日本の美の結晶”を堪能している。会期は5月6日まで。

備前刀は主な生産地「五ケ伝」のうち、同県の吉井川流域の技法を受け継ぐ日本刀を指す。江戸期には各地で作られ、古河藩に関係する刀鍛冶は固山宗次(こやまむねつぐ)(1803年〜没年不明)と弟子の泰龍斎宗寛(たいりゅうさいそうかん)(1819〜83年)らがいた。同展では2人を切り口に、美術品としても名高い歴代の伝統工芸を紹介しようと企画された。

会場では太刀や脇差し、短刀などを製作年代の順に展示。個人蔵が大半を占める。「助包(すけかね)」は、展示品のうち最も古い平安末期ごろの作。一方、広島県庄原市の刀匠、久保善博さんが鍛えた一振り(2017年作)は、高松宮記念賞を受賞した最高の現代刀の一つだ。

人気のオンラインゲームなどで知られる刀もある。備前刀の中でも特に知られる長船(おさふね)派の「光忠」、代表作に国指定重要文化財の伊達正宗の刀がある「景秀」、重要美術品で戦国武将の黒田家に伝来した「長光」の太刀や、南北朝時代の短刀「長義」などがそろう。

来場した群馬県館林市の女性(45)は「長船派が多数あると聞いて来た。個人蔵のなかなか並ばない刀が見られてうれしい。武器でありながら、美術品というギャップに心ひかれる」と話し、熱心に鑑賞していた。

開館時間は午前9時〜午後5時(入館は同4時半まで)。25、26日休館。入場料は一般400円、小中高生100円。問い合わせは同館(電)0280(22)5211
(溝口正則)