コミュニケーションロボット

 人の前でしっぽを振り、お手をする。リアルでかわいらしい動きをする犬型ロボット。社会におけるロボット活用について研究している独協医科大の坂田信裕教授が、昨年末に県立大で開かれた講演会で実演してみせたコミュニケーションロボットの一つだ▲対話や愛らしさを通して人に癒やしを与える目的で開発されているコミュニケーションロボット。高齢者の介護や見守りにも役立つと注目されているという▲人手不足の介護施設で、職員の代わりにロボットに高齢者の話し相手をさせる。離れて暮らす親の住まいにロボットを置き、携帯電話回線などを通して音声やメールを送受信する…。さまざまな会社が商品開発を進めている▲人と人とのコミュニケーション不足を、ロボットが補う日が来つつあるのかもしれない。「ロボットは人と人をつなぐ存在」と坂田教授は語っていた▲佐世保市のハウステンボスも近く、高齢者見守りに活用できるロボットを発売する。服薬など決まり事のお知らせや、ドアセンサーと連動して外出を知らせる機能もあるという▲ただ、今後さらに技術開発が進めば、便利なロボットに何でも頼ってしまうようになるのではないかという心配もよぎる。生身のコミュニケーションが失われないよう、知恵が必要かもしれない。(泉)

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