あのアニメのネットスラングの元ネタってなんなの?「マダオ」編

作中で声優の立木文彦の演じるキャラクター、もしくはダメなオッサンキャラクターを「マダオ」と形容することがあるが、これは元々、空知英秋原作の少年漫画『銀魂』の登場人物長谷川泰三を表した言葉が語源となっている。

同作で長谷川は、原作の初期エピソードとなる第十六訓での不祥事で、幕府の役人としての職を失った後、無職となり、奥さんにも逃げられている。その後、自身の転落ぶりをメインキャラクターのひとりである神楽にグチるのだが、その去り際「オメーに言われたくないんだよ負け組が! じゃーなー、まるでダメなおっさん略してマ・ダ・オ」と返されるのである。以降、「マダオ」とは「まるでダメなおっさん」を差す用語となった。

さらに、この言葉の浸透に重要な役割を担ったのが、同作のアニメ版で、長谷川を演じている立木だ。それまでダンディなオッサンキャラを演じることが多い役者というイメージがあった立木とは、かけ離れたキャラクターということでインパクトが強く、以降、他作品でも立木の演じるキャラクターが出ると多かれ少なかれ「マダオ」と呼ばれるケースが出るようになった。

他にも過去をさかのぼると『新世紀エヴァンゲリオン』で立木が演じた碇ゲンドウも、小難しいこと言ってる割に、結局は「“まるでダメなおっさん”じゃないか」ということで、以降の新劇場版の地上波放送で、「マダオ」呼ばわりされるケースも。一応立木の演じるキャラクターや、オッサンキャラクター全てが「マダオ」呼びされる訳ではなく、少しでも長谷川っぽい要素を含んでいるかが重要にはなるようだ。

*画像 【コミックス】銀魂1巻

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