FA市場に残るキンブレル 希望を5年契約から3年契約に引き下げ

メジャーリーグを代表するクローザーであるクレイグ・キンブレルは、オフシーズンを通して自身の希望条件を引き下げず、少なくとも5年以上、あわよくば総額1億~1億2000万ドルの6年契約を目指していることが報じられてきた。しかし、レギュラーシーズン開幕後も契約が決まらない現状を受け、3年契約のオファーを受け入れる準備があることが伝えられている。希望条件を引き下げたキンブレルに対し、キンブレルを満足させるオファーを提示するチームは現れるのだろうか。

MLBネットワークのケン・ローゼンタールは、キンブレルがザック・ブリットン(ヤンキース:3年3900万ドル)やウェイド・デービス(ロッキーズ:3年5200万ドル)と同規模のレベルまで希望条件を引き下げたことを伝えており、同じくMLBネットワークのジョン・ヘイマンもキンブレルが当初の希望条件を引き下げ、3年契約に前向きであることを報じている。

ヘイマンは、キンブレル獲得を狙うチームとしてブレーブス、ブリュワーズ、ナショナルズ、フィリーズの名前を挙げており、そのなかでも主力リリーバーのアローディス・ビスカイーノが右肩の手術で今季絶望となったブレーブスを最有力候補としている。キンブレル自身もメジャーリーガーとしてのキャリアのスタート地点となった古巣・ブレーブスに対する愛着を口にしており、ブレーブスがキンブレルの希望条件を満たすオファーを提示すれば、すんなり契約がまとまる可能性は高いと見られる。

しかし、ブレーブスにとってはキンブレルがクオリファイング・オファー物件であることが獲得への大きな障壁となっている。ブレーブスは海外選手獲得に関する不祥事により、海外選手獲得に対するペナルティを受けており、ドラフト指名権の喪失をなるべく回避したいと考えているからだ。もしブレーブスがキンブレルを獲得すれば、今年6月のドラフトにおける全体60位の指名権と、それに伴うスロットマネー115万7000ドルを失うことになる。ブレーブスは全体9位と21位の指名権も有しており、全体60位の指名権(とスロットマネー)をどの程度重視するかが、キンブレル獲得に向けてのキーポイントとなりそうだ。

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