WEC:アロンソの離脱が噂される2019/20年、トヨタのドライバー候補にハートレー浮上か

 元トロロッソ・ホンダF1のドライバーであるブレンドン・ハートレーが、TOYOTA GAZOO RacingからWEC世界耐久選手権に参戦中で2018/19年限りでの離脱が噂されるフェルナンド・アロンソの後任ドライバーに浮上したと海外メディアが伝えている。

 フランスのAutohebdoによれば、2017年のル・マン王者で同年と2015年の2度WEC王者となったハートレーは、2019年6月に行われる第87回ル・マン24時間でトヨタのリザーブドライバーを務める可能性が高いという。また、同サイトでは2019/2020年シーズンにはアロンソの後任として、中嶋一貴、セバスチャン・ブエミとともに8号車トヨタTS050ハイブリッドをシェアする可能性があるとも報じている。

 2019年5月には世界三大レース制覇“トリプルクラウン”の達成のため、自身2度目となるインディ500に挑戦するアロンソ。2018年末に一度F1から降りた元王者はその後、さまざまなレーシングカテゴリーに挑戦したいと公言し、その言葉どおりインディ500やデイトナ24時間、WECへの参戦をはじめ、NASCARカップカー、2019年ダカールを制したトヨタ・ハイラックスのドライブを体験するなど、そのアクティブさは留まることを知らない。

 こうした動きから2019/20年シーズンにはアロンソがトヨタWECチームから離脱するのではないかという推測もあがり、アロンソ自身も今年1月、Sportscar365に対して「トヨタのWECプログラムに留まるかどうかは五分五分」であると語っている。

 一方のハートレーはF1でのシートを失った今、ふたたびポルシェドライバーとしての活動を再開。そのなかで2019/20年シーズンからポルシェが参戦するABBフォーミュラE選手権で同ブランドのドライバーラインアップに組み込まれることが予想される。

 そんなハートレーはWECとフォーミュラEは両立することができるとSportscar365の姉妹サイトであるe-racing365に語った。

「僕は今でもル・マンが大好きだし、耐久レースを愛している」とハートレー。

「(アンドレ・ロッテラーやブエミなど)他のドライバーがすでに行っているように、ふたつのプログラムを同時に進めることは完全に可能だと考えているんだ」

 3月中旬に行われたWEC“スーパーシーズン”第6戦セブリング1000マイルで久々に耐久レースに復帰したハートレーは、続く第7戦スパ・フランコルシャン6時間でもジェンソン・バトンの代役として、セブリング戦と同様にSMPレーシングの11号車BRエンジニアリングBR1・AERに乗り込む予定だ。しかし、第8戦ル・マンではバトンがチームに戻るためロシアンチームでの参戦は予定されていない。

 ニュージーランド出身のル・マンウイナーが報道のとおりにトヨタのリザーブドライバーを務める場合には、6月2日に行われるテストデーで規定周回数のラップを完了させる必要がある。

 なお、正確なスケジュールは明らかにされていないものの、トヨタのスポークスマンは日本メーカーが2019/20年シーズンのLMP1ドライバーラインナップを“まもなく”発表する予定としている。

SMPレーシングの11号車BRエンジニアリングBR1・AERに乗り込んだブレンドン・ハートレー
2018/19年WEC第6戦セブリングではフェルナンド・アロンソ組8号車トヨタが優勝。ハートレー組11号車SMPは3位となった

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