史上初バーチャルYouTuberドラマの記者会見! 司会・登壇者も全てVTuber!!

テレビ東京で4月19日にスタートするバーチャルYouTuberドラマ「四月一日さん家の」(金曜深夜0:52)。CGで描かれたキャラクターの表情や動きをリアルタイムで反映させるバーチャルYouTuber(VTuber)だけで作る史上初のドラマとして注目される本作の記者会見が都内で行われた。

本作はVTuberとして活動するときのそら、猿楽町双葉、響木アオの3人が、両親を亡くした四月一日三姉妹を演じ、日々の生活に起こるささいな出来事や思わぬ事件をほのぼのと描いていくシチュエーションコメディー。

通常のドラマとの最大の違いは、生身の人間の演技ではなく、リアルタイムCGを介して表情と動きでの演技を行う点。本作プロデューサーの五箇公貴氏は「VTuberの若手技術者の方たちと実写ドラマのベテラン制作スタッフが結集して企画がスタートしたんですが、普段使ってる脳も言葉もまるで違ってて、コミュニケーションもうまく取れなかった」と言うように、最初から苦労の連続だったという。「でも、こういう新しいものを作って世に問いたいというスタッフの思いは一つになって、ゴールに向かって突き進みました」と、これまでにない新鮮な経験だったと語る。

そして、この記者会見も通常と異なり“生身”の俳優が登場するのではなく、モニター画面の中の役者が受け答えをするという、かつてないスタイルが採られた。さらに、試写会の司会をVTuberの七瀬タク、記者会見の司会をテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」から飛び出し、YouTubeで「相内ユウカにわからせたい!」という配信を行っているバーチャルアナウンサー・相内ユウカが務めるなど、すべてがモニター内で完結するという新時代の到来を感じさせる記者会見となった。

モニターに並んだ3人のVTuberはどこか緊張した(?)面持ち。撮影の感想を聞かれた四月一日家の長女・一花役のときのそらは、「一番びっくりしたのは、いつも作ってる動画と違って、スタッフさんを含むたくさんの方々がかかわっているということでした。演技は事前に想像して、それから現場では相談しながら試行錯誤していった感じです。監督さんや脚本さんが話数ごとに変わるので、そのたびにこうしていこうというのを考えて実行していくことがとても新鮮でした」と述べた。

四月一日家の次女・二葉役の猿楽町双葉は、「出演者が3人しかいなくて、しかも30分、3人だけでしゃべることになるので、ものすごいセリフ量だったんですよ。それを1話から12話までということで、とんでもない量をしゃべったなと思います。ハードなスケジュールの中、それでも和気あいあいと、みんなで支え合いながら一つのチームとして作り上げたという達成感でいっぱいです」と撮影を振り返った。

三女・三樹を演じた響木アオは、「1人で動画を撮るのとは気にするところが全然違ってて、すごく勉強になりました。こういうところにこだわりを持って作品を作ってるんだなというのは、1人で撮っていた時は絶対気付けなかったと思います。最初のうちはセリフを覚えるだけで大変で、自分でしゃべったのを録音して練習していたんですが、回を重ねるうちに慣れてきて、撮影に行くことが楽しみになりました」と述べ、短期間での自身の急成長に驚いたことを明かした。

スタッフもキャストも初めて尽くしの中での作品作りは苦労も多いが、楽しいことも多かったようで、ときのそらは「お弁当を選ぶのは、監督さんとかスタッフさんとの交流を図る場所でした。いつもアオちゃんがメニューを読んでくれて、それを聞いて私たちがどれにするか悩むみたいな。お弁当を一緒に食べて、お芝居の話をしたりしたことがすごく印象に残っています」と撮影中の楽しみを述べると、猿楽町双葉も「NGを出した時に、それがツボに入っちゃったりしたことがあって。言い間違いとかかんじゃったりとか、そういうのが空耳で違うように聞こえちゃったりすると、3人で爆笑したり。今思うとすごく楽しかったなと思います」と笑顔で回想した。

本作がドラマデビューとなる3人。これから演じてみたい役について、ときのそらは「教師とかしっかりした役柄に興味があります」と返答。猿楽町双葉が「子どもたちも恐れてしまうような悪役をいつかやってみたい」と述べれば、響木アオは「幼いころに殺人犯に弟を殺されたとか、重たい設定のある役をやりたいです」と答えるなど、四月一日三姉妹のそれぞれの設定そのままの受け答えをみせ、撮影期間に培ったチームワークの良さをのぞかせた。

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