斎藤工、レスリー・キーが撮り続けた20年間は“生前葬のような”1冊。「僕のすべてが詰まっている」

俳優・斎藤工と世界的写真家のレスリー・キー氏の20年間にわたる軌跡を全て詰め込んだ「斎藤工×LESLIE KEE SUPERフォトマガジン『JOURNEY』」(東京ニュース通信社刊)が発売。これを記念し、4月19日(金)にバーニーズ ニューヨーク六本木店で、斎藤とレスリー氏によるトークイベントが行われた。

俳優としてはもちろん、モデル、Filmmaker、白黒写真家など、マルチな活躍を見せ、唯一無二の存在感を放つ斎藤。そんな彼をデビュー前から撮り続けてきたのが、世界的写真家で知られるレスリー氏だ。「斎藤工×LESLIE KEE SUPERフォトマガジン『JOURNEY』」では、今作のために特別に撮り下ろした最新ショットも含め、レスリー氏が20年にわたり撮影した斎藤の写真の数々を一挙掲載。さらに、斎藤と縁のある方々との対談も実現。上戸彩、エリック・クー氏、河瀨直美氏、北川悦吏子氏、ケイタ・マルヤマ氏、福山雅治(※50音順)といった、各ジャンルにおいて第一線で活躍する面々との対談は、同誌でしか見られない貴重なものとなっている。

イベントの前に行われた会見にレスリー氏と共に登場した斎藤は、「僕自身、年齢を重ねたり、映画を作ったり、色々な自分の変化に基づいて、このように表に出ることもそうですし、被写体として写真集というものとはもう縁がないと思っていました。写真集を発売するという響きは、自分にはもう訪れないものだという意識があったんです」と胸中を告白。「ただこの1冊に関しては、期間で言ったら20年ですが、濃度で言えばその倍くらいを隣にいるレスリー・キーと共に過ごし、僕の変化を撮り続けてくれたものなので、フォトブック・写真集というカテゴリーではありますが、僕にとっては生前葬じゃないですけれど、自分のすべてが詰まったと言っても過言ではない1冊になりました」と感慨深い様子で語りながらも、「ただ最後の撮影の頃、役作りで僕の体重がほぼ100kgありまして、だんだん体重が増えていくおじさんのドラマにもなっています。その辺も見どころだと思います(笑)」とユーモアも交えて本作をアピールした。

さらに、本作に収められた2人のセッションは「どれも計画的というより突発的な撮影が多かった」と斎藤。「レスリーが今日本にいる。自分の時間もあるっていう時に、お互いコンタクトを取って写真を撮りました。最初の方に、事務所のバルコニーで撮った白髪に近い金髪の状態の写真があるんですけれど、その頃から自分の変化をレスリーに撮ってほしいなっていう気持ちがありました。いつかなにか、僕とレスリーの時間軸をまとめたらすごく特別なものになるっていう意識が、僕もレスリーもあったなと思います」と振り返った。

当然、思い入れのある写真ばかりだが、特に表紙に選んだ写真はお気に入りだそうで、「最初、表紙は別の写真が予定されていたんです。一番今に近いシリーズの中から(選んだ写真)がいいんじゃないかって。でも最後の最後になって僕が思い出したのが、まさにこの表紙の一枚で。(本作の中にある)僕が髪を切っていく写真の最初になります。ちょうど10年前になるので、20年の真ん中にあたるのがこれかなと思って提案させていただきました」と、肉体美が目を引く表紙について言及。「ただ、穿いているのか穿いていないのかってみんなに言われるんですけれど、『想像にお任せします』と答えています」と、気になる真相についてはしたり顔で笑った。

一方でレスリー氏は、「こんなご縁は斎藤工以外になかなかいないじゃないですか。デビューした頃の(斎藤の)美少年のイメージをちゃんと残したいと思って、そこからどんどんインスピレーションになってずっと一緒にやってきて。僕たちにとってはこの20年間のダイアリーのような、奇跡的な写真集です。お互い仕事と思っていないから特別なんだと思います。ひとつの記録、出会いも含めた貴重な1冊です。その部分をぜひ見て欲しい」と思いの丈を。

「斎藤の被写体としての魅力は?」という記者からの質問には、「一言で?この本を見て下さい。魅力たっぷりですよ」とニヤリ。そして、「工は変わらないですね。1番印象深いのは映画が大好き。私がまだ映画に詳しくない時から、工は私より全然若いのにかなり映画に情熱を向けていて。それで私も少しずつ映像に興味を持ったので、工が私にくれたとても大きな影響です。彼はただの俳優じゃないです。そこが工の魅力です」と褒め上げた。

また、この日の会場であるバーニーズ ニューヨーク六本木店では、フォトマガジンの撮り下ろしカットを使用した限定Tシャツも販売されている。レスリー氏は、「20年という区切りのチャレンジとして、自分の写真にも新しい見せ方があるんじゃないかと思いました。今後はいろいろなグッズもチャレンジしたいです」と意欲的に語った。

最後は、今後2人でどのような撮影に挑戦したいかそれぞれが展望を。「(今まで)ロケ撮影が少ないので、工が海外の映画に出るときにそこへ行って撮影したいです。1時間あればすごい作品が僕たちは作れますから、その時を期待していてください」とレスリー氏。斎藤は、「僕はレスリーを撮りたいですね。彼のほとばしるエネルギーを皆さんも感じていると思いますが、彼は海を渡って日本に来てくれて、さらに日本から世界に羽ばたいて、世界のスーパースターを撮って、その合間に日本に帰って来て何者でもない僕を被写体として撮ってくれています。そんな彼の背中を見て僕はエネルギーをもらって、多大なる影響を受けています。だから、レスリーの持っているパッションを僕が切り取る側になってみたいです」と意気込んだ。

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