トム・ライリー、主演作「ダークハート 猟奇殺人捜査班」を語る

トム・ライリー、主演作「ダークハート 猟奇殺人捜査班」を語る

イギリスのロンドンを舞台に、暗い過去を背負った刑事が陰惨な猟奇殺人事件の捜査に挑んでいく最新英国ミステリー「ダークハート 猟奇殺人捜査班」。主人公の警部補、ウィル・ワグスタッフ役を人気ドラマ「ダ・ヴィンチと禁断の謎」(2013~15年)でブレークした英国俳優のトム・ライリーが演じる。

本物らしく刑事を演じる秘訣を教えてもらったよ

── まずはあなたの役柄について教えてください。

「僕が演じるウィルは比較的若い刑事だ。いや、むしろ警部補という役職には若すぎるかもしれない。だから、刑事としては間違いなく優秀なのに、その一方で事件に感情移入しすぎるなど未熟な面も多々ある。彼は少年時代に目の前で両親を殺された暗い記憶にとらわれていて、いつかその真犯人を捕まえるという執念が仕事のモチベーションになっているのだけど、同時にそれがトラブルの原因にもなるんだ」

── 役作りにおいて特に工夫したことはありますか?

「監督のコリン・ティーグとは念入りにリハーサルを重ねたのだけど、彼は実際に本物の警部補と付き合いがあって勉強になった。同僚刑事役のトム・ブルックも警察官の友達がいて、本物らしく刑事を演じる秘訣を教えてもらったよ」

── 劇中ではどんな事件が描かれるのでしょうか?

「最初の事件では、小児性愛者ばかりが暴力のターゲットにされる。何者かが悪質な犯罪者に対して違法な制裁を加えているんだ。おのずと、ウィル自身が抱えている、両親を殺した犯人への復讐心が捜査にも影響を及ぼす。善悪の境界線が問われるんだ」

── 非常に暗い題材ですが、撮影で気が重くなることはありませんか?

「それはあまりなかったかな。以前は仕事に影響され過ぎて私生活へ持ち込むこともあったけど、今では切り替えがうまくできるようになったから、撮影の合間にはスタッフや共演者とブラックジョークなども交わしているよ」

── ウィルの姉も登場しますが、姉弟の仲はドラマの中でどのように描かれていますか?

「たまたまファミリーネームが同じシャーロット・ライリーが、姉のジュリエット役を演じている。彼女と共演するのは今回が初めてだけど、本当に素晴らしい女優で楽しく仕事ができた。ウィルとジュリエットは、どちらも子ども時代の出来事が原因で心に傷を抱えているのだけど、その対処法は全く異なっている。彼女は恋愛に依存してさまざまな男と付き合うんだ。それも暴力的な男たちとね。ウィルはそんな姉を守らねばと思う。でも、ジュリエット自身がそれを望んでいないため、2人の関係にはギクシャクしたものがあるんだ」

── 久々に主役を演じた感想はいかがですか?

「主役を演じるうえでの心得というのは、演劇学校では決して教わらないことだから、実際にその立場を経験して学ぶか、もしくは他人をお手本にするしかない。時間をきっちり守ってプロに徹するのはもちろん、撮影現場の雰囲気にも責任を持たなくちゃいけない。僕の場合は、ドラマ『脳外科医モンロー』(11~12年)で共演したジェームズ・ネスビットが良いお手本を見せてくれた。彼はいつも定刻通りに撮影現場へ現れて、ゲスト出演者の誰に対しても親切だった。おかげで座長の取るべきふるまいを学ぶことができた。それに、今回は慣れ親しんだロンドンでのロケだから、撮影中はとても楽しかったよ」

【プロフィール】


トム・ライリー Tom Riley
1981年4月5日生まれ。イギリス・ケント州出身。ドラマ「脳外科医モンロー」(11~12年)の主人公の親友役で注目され、「ダ・ヴィンチと禁断の謎」(13~15年)の主人公、レオナルド・ダ・ヴィンチ役で人気を獲得。映画や舞台でも活躍している。

【番組情報】


「ダークハート 猟奇殺人捜査班」
5月27日スタート
シネフィルWOWOW
月~木曜 午後1:00~2:00(字幕)

人気犯罪ドラマ「埋もれる殺意」シリーズの脚本家、クリス・ラングが新たに手がける英国ミステリー。16歳の時に両親が何者かに殺された過去を持つ刑事・ウィルが、そのトラウマと日々葛藤しつつ、大都会・ロンドンで起きる猟奇的事件の解決に奔走する。

文/なかざわひでゆき

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