平成泳ぎ続けた、こいのぼり1000匹 竜神峡まつり、27日開幕

つり下げに「索道」技術

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竜神大吊橋と竜神峡を渡るこいのぼり(昨年)=常陸太田市天下野町(同市観光物産協会提供)

今シーズンで30回目を迎える常陸太田市の恒例イベント「竜神峡鯉のぼりまつり」(常陸太田市観光物産協会、同市主催)が27日に開幕する。観光振興の推進と、人と人の架け橋になればと平成元年に始まったまつりの主役は、会場を包むように泳ぐ1000匹のこいのぼり。こいのぼりを付けるワイヤロープを竜神峡に張り渡す作業は、空中に渡したロープにつり下げて輸送を行う「索道」の技術を応用して行われる。その方法とは-。

両岸をワイヤロープで結ぶにはまずビニールひもを使う。昨年までは石をくくりつけたビニールひもを、渓谷両岸の傾斜地高台から100メートル下のダム湖面に投げ落とし、小舟を使って湖上でつなぎ、両岸を1往復する輪をつくった。

輪の状態でつながったビニールひもは、次に細いロープをつないで往復する。次いで細いロープにワイヤをつなぎ、最後にこいのぼりをつるす本ワイヤを往復させ両岸をつなぐ。こいのぼりを等間隔に付けたワイヤを対岸に向けて繰り出していき、到達すれば完了だ。

今月初旬に始まった今年の作業が、例年と違うのは最初のビニールひもの差し渡しをドローンで行ったこと。安全に作業時間も大幅に短縮できた。こいのぼりは22日に付ける。

当初は竜神ダムから上空を泳ぐこいのぼりを見上げて楽しんだが、1994年に長さ375メートルの竜神大吊橋ができたことで、大吊橋の左右に泳ぐこいのぼりを間近から見られるようになった。

89年に始まった同まつりは、東日本大震災が発生した年に中止した以外は平成の時代をつなぎ、毎年3万〜4万人が訪れた。観光振興や地域活性化と、「家族の思い出のこいのぼりを再び観光地に掲示し、竜神峡を訪れる観光客の新たな思い出につなげたい」(同市観光振興課)という発想だ。

市観光物産協会水府支部の和田範政支部長は「郷土愛や地域活性化への思いもあって長く続いているし、安全第一を考えて準備している」と話す。(飯田勉)