ぺレス、2014年のフェラーリF1加入を犠牲にしてマクラーレン入りしたことを後悔とともに明かす

 2013年にマクラーレンF1チームに加入していたセルジオ・ペレスは、この契約によって翌年のフェラーリ入りを犠牲にしており、このときの決断は自身のキャリアにおいて大きな過ちだったと考えている。

 F1のポッドキャスト番組『Beyond the Grid』の最新エピソードで、フェラーリ・ドライバー・アカデミーの一員としてザウバーに在籍中だったぺレスは、F1での2シーズン目にフェラーリから2014年の事前契約を提示されていたことを明らかにした。

 この契約はぺレスにとってザウバーで3シーズン目を迎えることを意味していたため、彼は代わりに2013年からのマクラーレンとの1年契約を受け入れる選択をした。しかし、これはフェラーリから彼を決定的に引き離す動きとなった。

「マクラーレンが当時どのような状態だったかを考えると、僕にとって悪いタイミングで来た話だったんだと思う」とぺレスは振り返る。

「2012年を思い返すと、僕はフェラーリのメンバーで2014年の契約を結ぼうとしていた。ザウバーにもう1年在籍しなければならないけれど、その後でフェラーリに加入できるということだった」

「僕はマラネロに行って(ステファノ)ドメニカリと話し合った。彼は『2014年の事前契約をしよう』と僕に言った」

 若く前途有望なF1ドライバーだったぺレスは、2012年終盤には自身が有利な立場にいることに気付いていた。いくつかの有力チームが、彼との契約を獲得しようと動いていたのだ。

「当時はメルセデスが興味を示し、フェラーリもマクラーレンも同様だったから、僕はとても強い立場にいた。そして『僕はタイトルを獲得できる力があるのだから、競争力の高いマシンに乗る必要がある』と考えたんだ」

「そしてマクラーレンとのチャンスが巡ってきた。マクラーレンはレースで勝てるチームだったし、過去5年にわたってタイトル争いをしていた。ノーと言えるわけがないだろう? しごく当然のことだった」

 マクラーレンでのチャンスは輝かしく前途有望に見えたが、今となってみれば考え得る限り最悪の選択であり、1年契約がその度合いを強めた。契約はぺレスの利益を損なうものだったと言える。

「つまりフェラーリアカデミーに別れを告げる必要があった。それからマクラーレンに行ったんだ」とぺレスは語った。

「間違いだったのは、1年契約にサインしたことだと思う。あのころの僕のマネージメントは、契約においてしっかりした仕事をしていなかった」

「悲しいことだ。このことがF1での僕の評判を傷つけたと思っている。でもそれからは素晴らしいチームに移って、そのチームで成功を収めている」

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